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ウワサの奇妙礼太郎がリアルサウンド初登場 破格の“ボーカル力”のルーツを語る

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20131022-kimyo-01.jpg奇妙礼太郎トラベルスイング楽団=2008年より関西を中心に活動を開始。奇妙礼太郎を中心にだいたい12名のメンバーで形成される歌謡スイングバンド。

 『カゴメ野菜生活100』のCM曲「ラジオ体操の歌」や、スズキ自動車『ショコラ』のCM曲「オー・シャンゼリゼ」などを歌い、注目を集めるロックシンガー・奇妙礼太郎が、自身の音楽活動の本隊である奇妙礼太郎トラベルスイング楽団で、10月23日、新作アルバム『仁義なき恋愛』をリリースする。ビッグバンドが奏でるファンク、ソウル、マンボ、ワルツなどの多彩な楽曲に、奇妙礼太郎のフリーキーな歌声が乗ったこのアルバム。一聴しただけで引き込まれるそのボーカルは、どのように培われたのか。奇妙礼太郎本人に音楽ルーツを語ってもらうとともに、新作アルバムの聴きどころを訊いた。

――奇妙礼太郎さんはリアルサウンド初登場ということで、まずは経歴から訊きたいのですが、音楽を始めたのはいつ頃ですか。

奇妙礼太郎(以下、奇妙):本格的にやり始めたのは学生時代の軽音楽部からですね。お金をもらって人前で歌い始めたのは22~23歳くらいからです。

――音楽のルーツ的には、どの辺りから影響を受けましたか?

奇妙:今、37歳なんですけど、小学生だった80年代の頃には歌番組がたくさんありましたので、そこからの影響は大きいですね。同世代の人はみんなそうだと思うんですが、浜田省吾さんとか長淵剛さんとか、CHAGE and ASKAさんとかを聴いていました。浜田省吾さんは特に好きで、今回のアルバムの「夏の匂い」という曲では、浜田さんを意識して作っています。80年代の人たちはみんな好きですね。それと、自分の親世代がちょうどロックンロールの最初のピークを味わっていた人たちだったので、家に昔のロックのカセットテープやレコードがたくさんありました。ロックの創世記に活躍したリトル・リチャードやサム・クックは、それで大好きになりました。ほかにも影響を受けたミュージシャンはたくさんいますが、全部挙げたらキリがないですね(笑)。

――トラベルスイング楽団以外では、曽我部恵一さんなどと一緒にライブをしていたりしますね。

奇妙:もう10年近く前になるんですが、曽我部恵一さんのレーベルのROSE RECORDSから、アニメーションズっていうバンドでCDをリリースさせていただいたんですよね。その時からライブに呼んでもらったりしています。曽我部さんのことはとてもリスペクトしていますので、現場で会えるのは嬉しいですね。

――トラベルスイング楽団はビッグバンドですが、結成したきっかけは?

奇妙:もともと大阪を拠点に活動していたのですが、その時に一緒に遊んでいたほかのミュージシャンたちと一緒にライブをしているうちに、だんだんメンバーが集まっていった感じです。最近、僕は東京に拠点を移したので、今はライブの時に現地でメンバーと会う感じになっています。ライブはとても盛り上がっているので、観に来てほしいですね。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団『仁義なき恋愛』トレーラー動画

――最近は、『カゴメ野菜生活100』のCMで「ラジオ体操の歌」や、スズキ自動車『ショコラ』のCMで「オー・シャンゼリゼ」なども歌っていますね。

奇妙:CMの曲を歌わせてもらったのは、運が良かったですね。最初はたしか「学研」のCM曲だったんですけど、そこから拡がって色々なCMで歌わせてもらうことになりました。CMの仕事はバンドとはまた違った楽しさがあります。求められることをやる感じで、自分でどうしようとか考える余地がないので、逆に自由というか。最初に仮歌を聴いて、ポンと歌って、そこから修正していくという流れ。何度も撮りなおすものかと思っていたんですが、案外そうでもなくて、3、4回とかであっさり終わります。今のところ、録音に1時間以上かかったことはないですね。自分のアルバムを作る時は考えることが多くて大変ですけど、CMだとこの形に合わせてくださいっていうところに自分を合わせるだけなので、そこに集中できる気持ち良さがあります。

――今回の『仁義なき恋愛』は、どんなアルバムですか。

奇妙:マンボだったりワルツだったりといった色んなダンスミュージックがあって、そのリズムにハマる歌詞を乗せて、メンバー全員でグルーブを作っていくという感じです。基本的に曲が最初にできて、それに合いそうな言葉を乗せていくという感じで作りました。自分の気持ちを歌うというより、曲に合いそうな歌詞をハメています。恋愛がテーマでもありますけど、歌詞は、特に僕の体験や恋愛観を反映しているというわけではないです。

――『仁義なき恋愛』の1曲目には、ユニークなナレーションが入っています。2曲目の「どばどばどかん」も面白い曲名です。

奇妙:「大根!人参!ロックンロール!」ってナレーションですね。あれは特に意味はないんですよ(笑)。思いつきと勢いで言葉を適当に並べた感じです。「ソウルメン」はそのまんま、ソウルミュージックを歌う人をテーマにしています。「カトリーヌ」はマンボっぽい感じで、「銀色ピアス」は80年代のロックを意識しています。最後の「恋がこんなにつらいとは」はワルツですね。いろんな種類の音楽が収録されています。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団「あの娘に会いにゆこう -ライブ!-」

――奇妙さんの声はとても印象的ですが、歌う時に心がけていることは。

奇妙:基本的には好きな曲を好きな風に歌っているだけですね。色々考えてああいう風に歌っているっていうわけではなくて、色んな人のマネをしているうちにだんだんああいう歌い方になったという。言葉で説明するのは難しいんですけど、その瞬間に最大限のパフォーマンスをする、ということは意識しています。

――今回のアルバムはどんな風に聴いてほしいですか。

奇妙:アルバムは、お金を出して買ったひとのものなので、自由に聴いてもらえればと思います。買ってくれたら嬉しいです。
(取材・文=編集部)