「紅白」にバンド枠はいくつある? 過去20年分の出演者から検証してみた
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年末の恒例行事、NHK「紅白歌合戦」の出場歌手発表まであとわずか。AKB48、ももクロ、ジャニーズらのアイドル勢、そしてお約束の大物演歌歌手たちなど当然予想される人々に加え、今年は男女5人組のロックバンド、サカナクションの初出場が内定したようだ。本サイトの読者なら今更説明するまでもないだろうが、サカナクションと言えばロックとダンスミュージックを融合させたサウンドで人気のバンド。ボーカルの山口一郎がSMAPに楽曲提供をしたり、CMやドラマとのタイアップも多く、今年3月に発売したアルバム『sakanaction』がオリコンチャート初登場1位を獲得するなど、音楽好きからの支持も高い。加えて今年は同アルバム収録の『Aoi』が、NHKサッカーテーマ曲に起用されるなど、同局への貢献度が高かったことも抜擢の理由と見られる。
しかし、紅白出場を果たしたバンドというと、実はそれほど多くはない。この20年ほどを遡ってみると、まず90年にB.Bクイーンズとたまが出場している。かたや国民的アニメの主題歌、そして一方はこの年60万枚を売り上げ、世間でよく知られた楽曲だった。翌年91年には、X JAPANが初出演し、この後94年まで連続出演した。92年にはLINDBERGや米米CLUBが登場。93年はTHE BOOMが初出場を果たした。小室ファミリーが隆盛を極める94年から96年以降は、いわゆる若者人気代表枠はそちらに流れたものの、シャ乱Q、JUDY AND MARY、ウルフルズらが出演。98年にはロックバンドのメガヒット現象に伴い、GLAY、LUNA SEA、L’Arc~en~Cielが揃って登場した。
2000年代に入ると、目新しいバンドの出演は激減。代わってハロプロ系アイドルやCHEMISTRYらの歌ウマ系男性ボーカル、KICK THE CAN CREWといったHIPHOPグループが台頭してくる。その後、05年にORANGE RANGE、06年にAqua Timezと主に10代の支持を集めたバンドが出演。そして08年には満を持してMr.Childrenが初出場を果たし、大きな話題を集めた。翌09年にflumpool、レミオロメンが、10年にはHYが初登場。震災のあった11年、被災地・福島ゆかりのアーティストで結成した猪苗代湖ズがバンド枠におさまった。そして昨年はというと、再結成を果たしたプリンセス プリンセス、朝ドラ『純と愛』の主題歌を担当したHY、大ブレイクを果たしたネタものバンド、ゴールデンボンバーらが出演した。
紅白への出場条件としては、もちろんヒット曲を生みだしたことも挙げられるが、老若男女に幅広く認知されているという点はハズせない。いわば、紅白に出場すると言うのは日本国民の「お墨付き」をもらうに等しいというわけだ。いくら近年、裏番組の「笑ってはいけない」シリーズに押されているとはいえ、40%を越える超高視聴率番組。出演すれば、より幅広い層にアピールできるまたとない機会となる。一方で、若い視聴者の紅白離れは、NHKが懸念している問題のひとつ。彼らに人気のあるアーティストの投入は不可欠だ。ただし、他のジャンルの出演者がひしめく紅白では、ざっと20年ほど遡ってみても、せいぜいバンド枠は1回につき3~4ほど。例外は98年の6バンド(ただしTOKIO含む)くらいだ。
今回出演のサカナクションは、前述した出場経験バンドほどにはお茶の間浸透率はそれほど高くないようにも思える。そんな中でどのようなパフォーマンスを見せるかは、彼らにとってもチャレンジとなることは間違いない。
ところで、彼らのほかにもうひとつ出演がささやかれているバンドがSEKAI NO OWARI。音楽ファンの支持率はこちらも極めて高いが、やはりそれほどお茶の間率は高くない。もしこの2バンドが揃い踏みするとしたら、これまでにない“攻め”の紅白が観られる気がするのだが、果たして……。
(文=板橋不死子)


