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嵐・櫻井翔はどんな音楽的挑戦をしてきた? ラップ詞で決意表明もしたソロ曲を振り返る

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リアルサウンド

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 2015年2月25日に発売になった新曲「Sakura」も好評な嵐。和的な世界観と、スマートなダンスで新たな嵐の魅力を伝えてくれる一曲に仕上がっている。これまでも嵐は最先端のサウンドを取り入れつつも、親しみやすい楽曲で勝負してきたグループであるが、その大きな要素となっているのが櫻井翔の音楽性。前週の二宮和也に続き、ジャニーズグループの中で初めて本格的にラップを取り入れ、自らリリック(Rap詞)も手がける櫻井翔のソロ曲について振り返ってみよう。

参考1:嵐・相葉雅紀はどんな音楽的挑戦をしてきた? バリエーション豊かなソロ曲を振り返る
参考2:【嵐・大野智はどんな音楽的挑戦をしてきた? 歌唱力を活かしたソロ曲を振り返る】
参考3:【嵐・二宮和也はどんな音楽的挑戦をしてきた? 作詞・作曲も手がけたソロ曲を振り返る】

 嵐のアルバムにメンバーのソロナンバーが収録されるようになったのは、2005年リリースの『One』が初。そこで櫻井翔のソロ楽曲として収録されたのが「夢でいいから」である。ミディアムテンポのメロウな楽曲で、Aメロは堅実に韻を踏んでいく櫻井らしいラップだが、Bメロ〜サビは、今よりちょっと若くて甘い櫻井の歌声が楽しめる。のちに櫻井のソロ曲のひとつの柱となる、アーバンソウル的スタイルのスタートである。

 続いて、2006年リリースのアルバム『ARASHIC』に収録されている「超2ありがとう」。厳密にはソロ曲ではないが、櫻井のメイン楽曲であるため、ここで取り上げたい。前作のソロ楽曲とは打ってかわった、ホーンの効いたファンキーな一曲。「真っ白なキャンパスを 君の唄で 染めて ほらね 超2のありがとうを 空の向こうへ」という歌詞に代表されるように、周りやファンに対しての応援歌ともいえる楽曲だ。

 2007年リリースのアルバム『Time』に収録されている「Can’t Let You Go」。こちらは初回限定版のみ収録なので、かなり貴重な音源となっている。「夢でいいから」に通じるメロウな一曲で、失恋の痛みを歌うこの楽曲は、少々抑え気味に歌う櫻井の歌声に色気を感じる一曲だ。

 そして、ファンの中でも人気の高い曲が2008年リリースのアルバム『Dream“A” Live』に収録されている「Hip Pop Boogie」。この曲も初回限定版のみの収録となっている。韻シストのTAKUとSHYOUがCOUNT FORCE名義で提供した楽曲で、ヒップホップをルーツとする櫻井らしいリリックとサウンドが特徴。コンサートでも盛り上がり必至のナンバーだ。「道なき道を歩いてく」という歌詞からは、トップアイドルに上り詰めた櫻井の決意表明が読み取れる。

 その後、制作されたのは2010年リリースのアルバム『僕の見ている風景』に収録されている「T.A.B.O.O」。一曲を通じてセクシーな表現を追求した、櫻井の歴史の中でも冒険作と言っていいだろう。サウンドもニューレイヴ的なアプローチを取り入れた攻撃的なナンバーで、櫻井の甘いボーカルとのギャップがミスマッチで面白い。

 2011年にリリースされたアルバム『Beatuful World』に収録されているのは「このままもっと」。これまでの作風とはひと味違う、キュートでさわやかな一曲だ。恋愛中の幸せな気持ちを素直に歌ったこの楽曲は、モータウンサウンドが心地いい楽曲。ちなみに作曲家はのちのヒットシングル「Bittersweet」を書いた100+である。

 さらに2012年にリリースされたアルバム『Popcorn』に収録された「Fly on Friday」は、当時日本でも火が着き始めたポップなEDMを意識した、アッパー系のパーティーチューン。歌詞もパーティーをテーマとしており、きらびやかな言葉で彩られる櫻井のラップも印象的だ。

 そして櫻井の原点回帰とも言える作風になったのは、2013年リリースのアルバム『LOVE』収録の「suger and salt」。「Hip Pop Boogie」に続き、作曲と編曲を韻シストが手がけた意欲作だ。その年齢の櫻井だからこそ表現できるムーディーでセクシーなグルーヴが秀逸なアーバンソウル的な楽曲。ちなみにタイトルをそのまま訳すと“砂糖と塩”→転じて(メンバーの大野)智(さとし)ということで、大野への思いを歌った曲?と想像するファンも多いとか。

 最新のソロナンバーとなるのが2014年リリースのアルバム『THE DEGITARIAN』に収録された「Hey Yeah!」。ワン・ダイレクションあたりを彷彿とさせる、非常にリズミカルでポップな楽曲だ。アルバムのセミファイナルを飾るこの曲は「いつでもそばにいるから大丈夫」という、聴く者をまっすぐに応援する力強いメッセージソングに仕上がった。

 櫻井のソロ曲をまとめてみると、彼のルーツにあるヒップホップを基盤にしながら、様々なジャンルへ挑戦する意思がどの作品にも一貫して感じられる。嵐サウンドにいつも新しい風を吹き込む櫻井の、次なる挑戦はなんだろうか。

(文=岡野里衣子)