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MUCCはなぜオーディエンスを驚かせ続けるのか? ミヤ「僕らは無難にやっていけるほど偉くない」

音楽

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リアルサウンド

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 メンバー・プロデュースのライブ、ニューアルバム『THE END OF THE WORLD』ツアー、[Alexandros]、氣志團、ゴールデンボンバーらを招いた2マンライブ「ARMAGEDDON」など、7カ月連続で毎月異なるテーマのツアーを行うライブ・プロジェクト「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」(9月23日の国立代々木競技場第一体育館のファイナル公演を含む、全55本)を中心に、今年も個性的な活動を展開しているMUCC。9月10日にリリースされるニューシングル『故に、摩天楼』(読売テレビ・日本テレビ全国ネット系「金田一少年の事件簿R」オープニングテーマ)はJ-POPユーザーにもアピールするようなポップな楽曲で、MUCCの持つ意外性・音楽的な幅広さを改めて示している。今回リアルサウンドではメンバー全員にインタビュー。そのふり幅の広さ、イメージを限定せず、常に新鮮なギャップを生み出す活動について語ってもらった。

「『またおもしろいことやってる』とか『変なことやってるな』って言われたい」(逹瑯)

140909_mucc_t.jpg写真/緒車寿一

――7カ月に亘って行われたライブ・プロジェクト「SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-」も、9月23日の国立代々木競技場第一体育館のファイナル公演を残すのみ。非常にユニークな試みだったと思うのですが、ここまでの手ごたえはどうですか?

ミヤ:無事に終わって良かったな、というのがまずありますよね。昨日のライブ(8月28日、恵比寿LIQUIDROOMで行われたgeek sleep sheepとの対バンライブ)のMCでも言ったんですけど、「ツアーが途中で止まらなくて良かった」ということに尽きますね。

逹瑯:得るものがたくさんあったツアーでしたね。いろんな人に支えられているんだなということも確認できたし、ケガや病気もなく。もっといろいろ起きると思ってたんですけど、意外とないもんですね(笑)。始まった頃はバタバタしてたんですけど、途中からはだいぶスムーズだったので。

――精神的にも肉体的にもタフなんでしょうね。

逹瑯:精神的にはそうかもしれない。落ち込んでふさぎ込んじゃう人もいないし。身体はそんなにタフじゃないんですけどね、もともと。だから、余計に細かいところに気を付けてるんじゃないですか。

――7月にはニューアルバム『THE END OF THE WORLD』を中心としたツアー、そして8月は[Alexandros]、氣志團、ゴールデンボンバーなど、異種格闘技的な2マンライブ・シリーズを行いましたね。

SATOち:2マン・ライブも良かったですね。あっち(対バン相手)も容赦なく向かってくるし、ライブの打ち上げでもいろんな話で盛り上がって。次につながると思います。

YUKKE:対バンのメンツもすごく濃くて強力ですからね。このライブプロジェクトが始まったときは「どうなるんだろうな?」っていうのがありましたけど、対バン、ワンマンを含めて、全部やり切ったことは自信になるだろうし。“なあなあ”にならなかったのも良かったと思います。

――15周年のときは、それまでのキャリアを網羅するようなライブ(‘12年6月、幕張メッセ国際展示場で行われた「MUCC 15th Anniversary year Live―『MUCC vs ムック vs MUCC』」/3部構成で約5時間に及ぶライブ)を開催。多少無茶でも、オーディエンスを驚かせるようなライブやツアーをやり続けたい、という気持ちが強いんでしょうか?

ミヤ:まあ、ありますね。無難にやっていけるほど偉くないというか。挑戦してないとおもしろくないし、見てるほうもつまらないと思うんですよ。

逹瑯:「またおもしろいことやってる」とか「変なことやってるな」って言われたい、っていうのはありますね。ライブ会場に遊びに来る人が「これ、どうなるんだろう?」ってワクワクしてくれるのがいちばんだし、それを考えるのがいちばん楽しいので。「きっとこんな感じでしょ?」って想像されきってしまったら負けだと思うし、(ライブを企画する際に)「もうひとクセ欲しい」という話になることも多いんですよ。

「規制はすごく多いんだけど、ネットがあればモザイクなしで何でも見れる」(ミヤ)

――なるほど。そして9月10日には早くもニューシングル『故に、摩天楼』がリリースされますが、これが非常にポップな曲に仕上がっていて。最近はサウンドも歌詞もヘビィな楽曲が多かったので、またしても意外な展開だな、と。

ミヤ:この曲はアルバム(『THE END OF THE WORLD』)を作ってた頃にはあったんですけど、わかりやすい曲にしたいっていうのはありましたね。ポップな部分がありつつ、そうじゃない要素もあるっていう曲にしたくて。

逹瑯:すごくキャッチーで覚えやすいっていうのが、第一印象でした。最近のMUCCにはないテイストの曲だし、「どんな感じになるのかな?」って思ったんですけど、歌を入れたら「ぜんぜんアリだな」って。

YUKKE:途中で悲しい感じのメロディが入ってくるんですけど、それもすごく良いんですよね。Aメロやサビはポップで力強いから、(悲しいテイストのメロディが加わることで)ギャップが生まれるというか。落差があったり、途中でガラッと変わる曲が好きなんですよ、もともと。既にライブでもやってるんですけど、この曲を入れることで、かなりライブの印象が変わるんですよね。

SATOち:お客さんも楽しんでると思いますよ。みんなキラキラした表情をしていて、「こういう光景は久しぶりだな。これもいいな」って思ったりもして。

――カップリングには強力なヘビィロック・チューン「Conquest」を収録。表題曲とはまったくタイプの違う曲を入れるという狙いはありました?

ミヤ:そんなに意識してなかったですね。この曲はアルバムの延長線上だと思うんですよ。6月のツアー中に作ったから、いまのライブの感じにも近いし。

YUKKE:かなり日が詰まってたんですよ。ツアーから帰ってきた次の日にRECみたいな感じで。だから、良い意味でライブの気分が出てるんじゃないですかね。プレイしてて楽しいタイプの曲だし。

逹瑯:俺はけっこうしんどかったですけどね(笑)。勢いを重視していい曲だったから何とかなったけど、もっと繊細なアプローチが必要だったら、きつかったかもしれない。

――「Conquet」にはMUCCの暴力性がすごく出ていると思います。「金田一少年の事件簿R」を好きな子供がこのCDを買ったら、「何だこの曲?!」ってめちゃくちゃ驚くと思うんですが。

YUKKE:ハハッ(笑)。小学生が聴いたら、そうかもしれないですね。

ミヤ:“ペアレンタル・アドバイザリー”を付けたほうが良かったかな(笑)。

逹瑯:勝手に“R15指定”とかにしたら、話題になって売れるかも。

ミヤ:おもしろいね、それ。でも、どうなんだろうね。いまの子たちはいろいろ聴いてるから、これくらいは大丈夫じゃないですか。“青少年の成長に不適切な表現が含まれています”って言っても、そういう規制があれば、絶対、見たくなるじゃないですか。それはいまの社会の縮図ですよね。規制はすごく多いんだけど、ネットがあればモザイクなしで何でも見れるっていうギャップ。あとはもう、“自分で選べ”って感じですけどね。

「出すものがなかったら、自分で作る」(ミヤ)

――さらに初回生産限定盤には、「THE END OF THE DEMO」(アルバム『THE END OF THE WORLD』のシングル以外の楽曲のデモ音源)を収録。これも他のバンドはあまりやらないことだと思うのですが、どんな意図があるんですか?

ミヤ:どんな意図があると思います?

――まず単純に「ファンなら聴きたいだろうな」と思いますけどね。

ミヤ:あ、もうそれだけです。「自分がファンだったら、聴きたいだろうな」っていう。あるバンドが同じようなことをやってたんですけど、そのデモは原型を留めていないというか、聴いてもどの曲のデモかわからないんですよ。「もうちょっとわかりやすいといいんだけど」と思ったときに、コレを思い付いたんです。つまり、すぐに「これは、あの曲のデモだ」って分かるのであれば、全部入れようって。聴いてて楽しいし、オマケとしてはすごくいいと思うんですよね。MVが入ったDVDだけが付いてるよりは、面白いかな、と。まあ、“アルバムを聴いてる”っていうのが前提ですけどね。ボーカル以外の人間が歌ってるテイクが入ってたりするんで。

――先にデモ音源を聴くのナシ、と。まあ、そうですよね。

ミヤ:NG集みたいなもんですからね。映画のエンドロールで、NGのシーンが流れたりするじゃないですか。本編の前にNG集を見ることはないでしょ、普通。

逹瑯:そうだね(笑)。でも、こういうのはリアルでいいんじゃないですか? きれいに整理されて、パッケージされたものばっかりが世の中に出ているわけで、(デモ音源を)あえて出すっていうのはリアルだし、潔いんじゃないかな、と。生き方がロックだ、みたいな感じもあるし。こっちとしては「これはちょっと恥ずかしい」ってところもあるけど、聴いてて不快になる人もいないだろうし。みんなやればいいのにね。

――MUCCくらいの自由度の高さがないと、なかなかやれないと思いますよ。9月23日の国立代々木競技場体育館ライブの後の展開も考えてるんですか?

ミヤ:なんとなく、ですけどね。代々木が終わったあとは、しばらくデカい動きはないと思いますけどね。少しは休むだろうし、さすがに。

――7カ月に及ぶライブ・プロジェクト、アルバム『THE END OF THE WORLD』と今回のシングルのリリースと、すさまじい濃度の活動が続いてますからね。ちなみにみなさん、新しいアイデアを生み出すためのインプットって必要ないんですか?

ミヤ:それに関しては、休みが無いなかでインプットするっていう身体になってますからね。ただ、きっかけを探しにいくことはあるかも。たとえばライブに行くのもそうですけど、家のなかにいるだけでは何のきっかけもないので。

SATOち:ふだんは絶対やらないことをやってみるのもいいんですよね。たとえば初めてスキューバダイビングをやったときも「こんな世界があったんだ!?」って思ったし。

YUKKE:どこかに旅行に行くだけでも、新しい考えが増えるからね。

SATOち:逹瑯がサバゲー(サバイバルゲーム)をやってるんだけど、隠れてるだけでもドキドキするらしくて。そういうのもいいんじゃないですかね。

逹瑯:おもしろいよー。「自分ってこんなにビビリだったのか?」って(笑)。だって、怖くて動けないんだもん。

SATOち:(笑)でも、そういうときって、音楽が鳴ってそうじゃないですか。

逹瑯:まあ、何気なく見たものとか経験したことが脳ミソのなかにたまって、ふとしたときに出てくるのかもしれないですね。

ミヤ:“出すものがなかったら、自分で作る”っていうのが続いてますけどね、ここ10年くらい。「よく12枚もアルバム作ったな」って、この前、ふと思ったんですよ。バンドを始めて17年で12枚アルバムを作って、いまも「曲を作りたい」っていう衝動があって。そうやって続けさせてもらってる環境にも感謝ですね。

(取材・文=森 朋之)

■リリース情報
『故に、摩天楼』
発売:2014年9月10日(水)
〈初回生産限定盤(CD+DVD)〉¥1,500(税抜)
【CD】
1.故に、摩天楼 
2.THE END OF THE DEMO
【DVD】
故に、摩天楼MUSIC VIDEO

〈初回仕様限定盤(CD ONLY)〉(初回プレス分のみアニメ描き下ろしワイドキャップ付き。以降は通常盤となります)
¥1,200(税抜)  
1.故に、摩天楼 
2. Conquest
3.故に、摩天楼 -TV EDIT-
4.故に、摩天楼 -ORIGINAL KARAOKE-

■ライブ情報
SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-
「七ヶ月間連続、毎月異なる全6種類のTOUR、各9公演 GRAND FINALを加えた55本に及ぶLIVE PROJECT!」

Final Episode「THE END」
9月23日(火・祝)国立代々木競技場第一体育館
OPEN 16:00 START 17:00

【チケット料金】前売券¥5,569(税込) 当日券¥6,500(税込)
※全席指定、3歳以上のお子様はチケットが必要です。
【チケット発売中】
チケットぴあ http://bit.ly/UXHMR1 
イープラス https://bit.ly/1sWeGhW 
ローソンチケット http://bit.ly/1mhghcC 

■SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争-特設サイト
http://www.55-69.com/69wars/

■オフィシャルHP
http://www.55-69.com/