なぜこの人、この楽曲? 『24時間テレビ』の音楽パフォーマンスへの疑問符
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毎夏恒例となっているNTV『24時間テレビ 愛は地球を救う』が、今年も終了した。放送前より、「メインパーソナリティーの嵐のギャラが5000万」だとか「24時間マラソンは実は9時間で走破できる」だとか、こと裏事情的な部分に注目が集まっていた今回。果ては、マラソン走者を務めた森三中・大島美幸が番組時間内にゴールできなかったことまでが、「裏番組『半沢直樹』潰しでは?」と疑問視された。とはいえ、平均視聴率は18.1%と好調。なんだかんだ文句を言いながらも、多くの日本人はコレ系の番組が大好きなんだなと改めて確認できる結果となった。
さて、『24時間テレビ 愛は地球を救う』と言えばテーマソング「サライ」を思い浮かべる人は多いはず。番組内では企画の合間に、ゲストアーティストによる歌のパフォーマンスが披露されるなど、かねてより音楽を重視してきた。今年も嵐をはじめ、公演先から生出演したAKB48など、多くの人気歌手が番組を盛り上げたが、中にはビミョーな人選、選曲もチラホラ……。ここでは、筆者が特に気になったパフォーマンスを振り返ってみようと思う。
●その1:ゴールデンボンバー「女々しくて」
番組のテーマでもあるチャリティーにあわせ、頑張っている人を応援するような楽曲が大半を占める中で、完全に賑やかしとして登場した彼ら。ステージ後方のスクリーンでは、「ふなっしー」らゆるキャラたちが、まるでノリきれてない動き。ボーカル・鬼龍院翔のすっぴん三段オチは、もはや茶番にしか見えず。
●その2:栗田貫一「2億4千万の瞳」
原口あきまさらモノマネ軍団とともに登場し、郷ひろみの『2億4千万の瞳』を熱唱。確かにウマいんだけど、本家が健在なのになぜモノマネだったかは謎のまま。一部では日テレ制作で12月に公開される映画『ルパンvsコナン』を意識してか? との憶測も飛び交っていた。
●その3:東山紀之&嵐「君だけに」
去年亡くなった森光子に捧ぐというコンセプトからしてもはやチャリティーとは無関係なだけでなく、お気に入りだった東山が登場してきたことで完全にジャニーズの事情を反映したコーナーに。一途な愛を歌った甘いバラードにのせて後方スクリーンに東山と森の2ショットが映るたび、複雑な気持ちになった視聴者は多かったはず。
●その4:華原朋美「I’m Proud」
90年代に大ヒットを連発しながら、当時プロデューサーだった小室哲哉との破局をきっかけに転落人生を歩んだ華原。番組内では、薬物依存だった壮絶な過去も明かされるなど、この日登場した誰よりも不幸さを振りまいていた。しかし、嵐目当ての若者世代からは「誰?」と戸惑う声も。さらに、小室の妻でもあるglobeのKEIKOが、華原登場タイミングで「24時間テレビ見てますよ」とツイートするなど、何やらピリピリしたムードも漂っていた。
”偽善だ””ヤラセだ”と毎度騒がれはするものの、毎年決まって多くのタレントたちが参加していることも事実。その状態を「芸能人を救っているのでは?」と評する声もあるが、生放送ならではの意外なパフォーマンスに期待したい。さて、来年は矢口真理あたりを救うのか?
(文=板橋不死子)