横浜流星、2019年の快進撃を振り返る 春夏秋冬で見せた輝きとは
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2019年を振り返る上で、語らずにはいられないのが横浜流星の快進撃。2018年末に執筆したコラムで「『初めて恋をした日に読む話』(TBS系、以下『はじこい』)を機に人気が加速する予感」と紹介したものの、ここまでの猛スピードとは正直驚いた。
【写真】ピンク髪当時の横浜流星
まずは冬。大ブレイクのきっかけとなった『はじこい』がスタート。この時点で若い世代からの知名度は高かった横浜だが、ピンクヘアがトレードマークの“ゆりゆり”こと由利匡平役で、幅広い層にその名が浸透した。「ご褒美ください」「引っ込んでろ! オレんだよ」といった胸キュンセリフからおちゃめな舌ペロまで、多彩な言動で我々を魅了。ゆりゆりのまっすぐで熱いアタックに胸は高鳴り、高校生と塾講師の恋というじれったさが、一層視聴者の心をざわめかせた。
ドラマ放送中には、映画『愛唄 ー約束のナクヒトー』が公開。人気曲「愛唄」をモチーフに制作されたGReeeeN脚本による本作で、横浜は恋する勇気を持てないまま余命宣告を受ける青年を、繊細に、儚く演じて見せた。同DVDの発売イベントでは「自分の力不足を思い知らされた」「役者人生の中ですごく大事な作品になった」と真摯に振り返っており、本作が役者として飛躍する礎となったに違いない。
春、“ゆりゆりロス”から世の女性たちを救い出すように公開されたのが『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』。横浜は赤髪の帰国子女男子を演じ、ここでは可愛らしさが大爆発。尊敬するいとこ(杉野遥亮)の彼女に恋をするという複雑な役どころを大胆に、クールに、それでいてチャーミングに演じきった。5月には『チア男子!!』が公開。猛特訓を経て撮影に挑んだ大迫力のチアを披露すると共に、内気な少年が少しずつ自身を開放していく心の機微を体現するのだった。
そして夏。『あなたの番ですー反撃編ー』(日本テレビ系)がスタートし、その人気は不動のものに。AIのようだった“どーやん”が、恋によって血の通った人間へとじわじわ変化を遂げていく様に、彼の表現力の豊かさに気づかされた。さらには、たった一度の回し蹴りで視聴者の目を釘付けに。ファンはもちろん、老若男女に自身のポテンシャルを示す名場面となった。
秋、『4分間のマリーゴールド』(TBS系)で扮したのは心優しい料理男子。クールながらも人の心に寄り添うことができる温かな青年は、横浜が演じることで人間味あふれる魅力的な人物に。その一方で、一周回って壁ドンからの「俺、琴のことが好き」という男気ある告白。このギャップに悶絶する女性たちが続出した。
季節は巡って、再び冬。「2019年TV-CM急上昇ランキング」で1位を獲得した横浜は、ワイモバイルや森永製菓など5社のCMに出演しており、もはや“テレビを付けたら横浜流星”状態に突入。そしてダメ押しのELLE×4℃ スペシャルコンテンツ。本当に「『4マリ』キャストから“ポンコツ”と称された横浜さんですか?」と尋ねたくなる色気に、どこまで女性たちの心を揺さぶれば気が済むのだろう。
とまぁ、人気は衰えるどころか加速するばかり。『日経トレンディ』(日経BP)が選ぶ「2019年“今年の顔”」、「Yahoo!検索大賞」大賞&俳優部門賞、「GQ MEN OF THE YEAR 2019」といった賞を次々受賞し、誰もが認める“2019年No.1ブレイク”となったわけだが、それでも横浜に浮ついた素振りは一切ない。むしろ、あまりに強すぎる勢いに吹き飛ばされないようにと地に足を付けてじっと踏ん張っているかのよう。謙虚に、凜と佇む横浜は、すでに大きく花開いたようにも見える。だが、我々の目には見えない根っこの部分は、それ以上に強く深く育まれていることだろう。
今年は、プライム帯初主演となる『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系)で幕開け。まだまだ美しく、大輪の花を咲かせるであろう横浜流星の2020年が楽しみだ。
※『L・DK』の「・」はハートマークが正式表記。
(nakamura omame)