横浜流星が語る、先輩から学んだ一年とこれから 「僕の中で1番大きいのは応援してくれている人たち」
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リアルサウンド映画部では、2020年新春特別企画として、連日に渡り、今注目したい俳優たちのインタビューをお届け。今回は、昨年、“ピンク髪”で大ブレイクを果たした横浜流星。
1年を通して3つのドラマで存在感を発揮した横浜の2019年、そして、1月11日に初回放送日を迎える日曜ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(日本テレビ系、以下『シロクロ』)の主演への意気込みを語ってもらった。
【写真】横浜流星撮り下ろしカット
■「目の前にあることに必死な状態」
ーー2019年は目覚ましい快進撃でしたが、自分の勢いに実感はありますか?
横浜流星(以下、横浜):まだそこまで客観的に見れていないです。こんなにずっと作品に出ていたのは初めてだったので、目の前にあることに必死な状態でした。まだそこまで、やってるぜ感はないですね。
ーー忙しくて大変だったことは?
横浜:11月くらいはドラマと映画の撮影が重なっていたので、体力というよりは精神面できつかった時期もありました。吉高由里子さんとの映画『きみの瞳が問いかけている』の撮影があって、ラブストーリーなんですが一筋縄ではいかない重厚な内容で、しっかり考えてやらないといけない作品だったので。それをやりながら『4分間のマリーゴールド』(TBS系)も撮っている時は、今日はドラマやって映画、明日は映画やってドラマというスケジュールもありました。でも1日休みがあるだけで、自分の部屋で気持ちを整理することもできたので、そこでなんとか落ち着くことはできました。
ーー横浜さんの原動力はなんですか?
横浜:僕の中で1番大きいのは応援してくれている人たちです。親もそうですし、ファンの人たちの声がすごく僕にとって励みになっています。その力があるから恩返ししたいとか、作品を通してもっといろいろな面を見せていきたい気持ちが湧いてくるんです。
ーーそんな2019年を過ごして、自分の中での変化はありましたか?
横浜:今までと変わらず、目の前のことをやるというのは変わらないんですが、主演という立場をいただくことも多くなったので、自分の役目に対しての責任感がより強くなった気がします。
ーーたくさんの作品に出演する中で、やっぱりご自身の中で課題が出てくることも?
横浜:お芝居の部分はまだまだだなとは思っています。今までは同世代との共演が多かったんですが、昨年は先輩方と多く共演させてもらって、そこで教えていただいたことがたくさんあったし、同時に自分の引き出しの少なさを痛感しました。もっともっと先輩方と共演して色々吸収して実力をつけていきたいと思いました。
ーー先輩から吸収するものは大きいですよね。
横浜:特に『あなたの番です‐反撃編‐』(日本テレビ系)は学びも経験も含め、僕の中で大きな作品でした。(田中)圭さんの現場の立ち振る舞いも、芝居への向き合い方も学ぶことが多かったです。『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)でも中村倫也さんと永山絢斗さんの芝居のアプローチが2人ともまったく違ったので勉強になりました。すごく恵まれた一年だったと思います。
ーー実際に今回の『シロクロ』の現場などで横浜さんが実践しようと試みていることはありますか?
横浜:今意識してやっているのは、もっと周りを見ようということです。まだ自分のことで精一杯になってしまうことが多いんですが、今年は映画、ドラマ、舞台でも主演をやらせていただくことが多いので、責任感を持って役と向き合いながら、ちゃんと周りを見て動いていかなければいけないなと。
■「まだまだ未熟者」
ーープライム帯の連ドラ初主演は、やはり一つの目標だったのでしょうか。
横浜:もちろん目標の一つではありましたが、自分にはまだ早いんじゃないかなというのはありました。まだまだ僕は未熟者なので、これからもっと経験してようやく皆さんに認めてもらえてーー何を以ってして認めてもらうのかは分からないですけどーー自分の気持ちも「よし!」となった時にそういう主演の話がくるのかなと思っていたので、こんな早いタイミングでという不安はあります。でも今は本当に楽しみながらやろうという気持ちです。
ーー実際に撮影されてみていかがですか?
横浜:オリジナル作品なので、みんなで作っていく感じがすごくあります。普通の作品だと、監督が強い意思を持って撮影が進んでいく感じなんですが、今回の作品は、監督の「これどう?」っていうのに対して、キャストたちも意見を自由に出し合って、持ち寄って作っていくのがすごく楽しいです。僕自身も、役の感情を知ったからこそ出てくる動きもあるので、そういう提案も言いやすくて。本当にみんなが楽しんでるのも伝わってくるので、すごくいい空気が今流れてるのかなと思います。
ーー現場で座長として意識していることはありますか。
横浜:僕の意識としては、まず清野(菜名)さんがいて、次に僕なので、清野さんやみんながやりやすい空気を作れたらいいなと思っていて、今は前にいくというよりは支える立場にいるようにしてます。
ーー過去の先輩方の姿から参考にしてることも?
横浜:そうですね。近い存在でいうと圭さんは自分がどうこうとかじゃなくて周りがやりやすい環境を作る人なので、そこは参考にして意識してるかもしれないです。
ーー田中さんから主演を務めるにいたって何かメッセージはありましたか?
横浜:まだそんなにちゃんとしたメッセージはもらえてないです。頑張れくらいしかないですね。ちゃんと何か欲しいです(笑)。
ーーW主演となる清野さんは横浜さんにとってどんな存在ですか。
横浜:アクションシーンがあった時に話も盛り上がったのですが、清野さんは見せ方が上手だなと思いました。例えば後ろ回しをやる時に僕の場合は空手やっていたのでそのまま直接相手に当てる後ろ回しなんですが、彼女の場合は動きも俊敏で形もきれいで、魅せるアクションとしてのストロークなどがすごいなと。彼女のそういう動きを見て勉強させてもらってます。
ーー役者の先輩や共演者のほかに、いつも横浜さんの刺激になっている存在はいらっしゃいますか?
横浜:10代の頃は同世代の人たちをすごく意識していたんです。オーディションで落ちた作品に、受かった人と自分を比べたりとか、そういうのもありました。でも20歳になってから、「それじゃいかん!」というか、人と比べてばっかりいないで自分のやるべきことをまずやらないとっていう考えになって。そこからはあまり意識もしなくなりました。
数少ない役者仲間と言ったら杉野(遥亮)くらいですね。共演してる時は仲良くなるんですけど、終わってからもご飯にいく仲の人が全然いなくて。
ーー『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』の時に杉野さんとのインタビューをさせていただきましたが、どちらも活躍されていて、これからもお互いにいい刺激を与えられる関係が続いていきそうですね。
横浜:そうなっていけたら嬉しいですね。杉野とご飯食べる時に色々話を聞いたりすると、「杉野も頑張ってるな、じゃあ俺も頑張ろう」っていつもなります。
ーー横浜さん自身が思う、自分らしさとか自分の好きなところはどこでしょう?
横浜:頑固なところは好きなところでもあり、直したいところでもあります。でも頑固な部分がなくなると、自分ではなくなっちゃうなとも思っていて。自分がこうだって決めたらそれを貫き通すんですが、それは時にはいらなかったりするから、好きでもあり嫌いでもあり……。だからそこを緩和して、ちゃんと頭を柔らかくしつつ自分をちゃんと持っていけたらいいなと今思っているんですけど、やっぱり自分の性格を直すのはなかなか難しいですね。徐々に直していけたらなと思います。
ーー特に本作での横浜さんの自身の見せどころは?
横浜:いっぱいあります。毎話催眠をかけて清野さんをパンダにさせるんですけど、その催眠術のかけ方が面白いんです。モニターをチェックした時に監督とプロデューサーがいつも超笑いながら見てます。確かにこれはおかしいなって(笑)。毎話出てくると思うので楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
ーーそれはツッコミという目線で見ていいということですか?(笑)。
横浜:最初はツッコミでもいいですけど、どんどん話を重ねるごとに、逆にみんなが僕の催眠術にかかってくれたら嬉しいですね(笑)。
ーーテレビの前の視聴者がパンダにされるんですね(笑)。最後に2020年、横浜さんの展望をお願いします。
横浜:まだまだ未熟者なので、今年、来年としっかりと一つ一つ実力をつけて階段を上がっていきたいです。そして、応援してくださってる方々やみなさんの心に響くようなすごくいい作品を届けられたら嬉しいなと思っています。
(取材・文=大和田茉椰)