AKB48渡辺麻友センターの新曲は「恋チュン」を超える!? 2曲の音楽的な相違点を分析
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AKB48が、8月27日発売の“総選挙”後初となるシングル『心のプラカード』から、表題曲のMVダイジェスト映像を公開している。
同曲は昨年の総選挙後のシングル「恋するフォーチュンクッキー」と同じく、70年代のディスコサウンドをイメージして作られたもので、老若男女が歌いやすい楽曲。振り付けもラッキィ池田が担当した踊りやすいものに仕上がっており、これは昨年の総選挙曲である“恋チュン”を踏襲したという声が少なくない。
渡辺自身も「恋チュンには負けたくない」と語っていたが、この2曲の音楽的な違いとは何なのだろうか? 当サイトで楽曲分析記事を執筆しているトレモロイドの小林郁太氏は以下のように語った。
「AKB48の楽曲は、ポップで分かりやすいコードをいかにリズムの気持ちよさで聴かせるかという部分に力を入れているように感じます。つまり、ベタなコード進行でも気持ち良く聴けるようなサウンドであるという点では『恋するフォーチュンクッキー』と『心のプラカード』の2曲もまた似ていると言えるでしょう。しかしすごく似ているというわけではない。音楽の構造的には『心のプラカード』は『ヘビーローテーション』に近いと感じました」
では、「心のプラカード」と「恋チュン」の違いは具体的に何だろうか。
「2曲の違いで真っ先に気付くのはリズムの早さです。『恋するフォーチュンクッキー』は、50年代のアメリカ音楽に多く用いられている『ドン、タン、ドドタン』というリズム進行にソウルっぽさを加えた楽曲。対する『心のプラカード』はリズムが8ビートでもう少し早いんです。サビの『心のプラカード~』の部分でも、裏にリズムのアクセントがあって、どこかスカのビートに似ているとも言えます」
確かに「心のプラカード」の方が、夏の要素を感じさせてくれる楽曲なのかもしれない。さらに同曲と「ヘビーローテーション」との類似についてこう語る。
「『恋するフォーチュンクッキー』は、楽曲全体で歌メロの流れに合わせて4拍目をスネアとベースで落とす構成になっており、1小節ごとに完結しながら同じリズムパターンで進んで行くんです。この循環するリズムに対し、『心のプラカード』は『ンチャンチャンチャンチャ』と、裏打ちのリズムが続くことにより1小節では完結できない構造になっています。この性急なリズム感が『ヘビーローテーション』に似ているので、違った聴こえ方になってくると思います」
大島優子の名前を一躍世に広めた「ヘビーローテーション」や、昨年大ヒットした「恋するフォーチュンクッキー」から良い影響を受けているとされる「心のプラカード」。同曲は渡辺のセンター曲として、グループの更なる躍進を支える楽曲になるのだろうか。
(文=編集部)