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『カイジ ファイナルゲーム』で共演 藤原竜也・吉田鋼太郎 対談 「ひるまない藤原竜也は手ごわかった」

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吉田鋼太郎、藤原竜也

全国公開中の映画『カイジ ファイナルゲーム』。「週刊ヤングマガジン」連載の人気コミック『カイジ』の実写化第1弾『カイジ 人生逆転ゲーム』(09年)が大ヒット、主演の藤原竜也の代表作となる。続いて『カイジ2 人生奪回ゲーム』(11年)が公開、本作は藤原主演の9年ぶりの『カイジ』となる。

シリーズ最終回と銘打たれた本作は、原作者の福本伸行氏も脚本に携わった完全オリジナルストーリー。2020年の東京オリンピック以降、現在以上に格差社会となった日本。カイジは、国を巻き込んだゲームに身を投じることになるーー。

本作に登場するゲームは4つ。“バベルの塔”、“最後の審判~人間秤~”、“ドリームジャンプ”、“ゴールドジャンケン”、どれも福本氏考案のオリジナルゲームという点にも注目が集まっている。

そして“最後の審判~人間秤~”でカイジの前に立ちふさがるのは、彼の勤務する派遣会社社長・黒崎だ。弱者から搾取し、自分の利益のためには手段を選ばない、腹黒い権力者である黒崎を演じるのは、舞台やドラマに活躍の目覚ましい吉田鋼太郎。藤原とはプライベートでも親交が深く、昨年公開されたアニメーション映画『ルパン三世 THE FIRST』での共演も記憶に新しい。そんなふたりの“最後の審判~人間秤~”での演技バトルは本作の見どころのひとつだ。

「“最後の審判”の撮影は長丁場な上に、ゲームのルールも複雑なので、僕も鋼太郎さんも共演者の方も、集中力を切らせないようにするのは大変でしたね。常にどうやってテンションを維持するかを考えながら演じていました」(藤原)

藤原竜也
吉田鋼太郎

そして、『カイジ』初参戦となる吉田は、本シリーズ特有の“リアルさ”に着目したという。

「藤原竜也の演じるカイジ像はすでに完成されていて、それを期待してお客さんは劇場に足を運ぶと思うんです。『カイジ』の世界は、現実離れしているように見えて、今の現実と地続きのもの。そのキワキワの世界が面白いんじゃない? だから、こういう突飛な設定だからこそ、振り切ってしまうと戦隊モノの悪役のようになってしまう。だからこそ、演技をする上でのリアルさや人間臭さにはこだわりました」(吉田)

共演経験も多いふたりだが、本作の藤原に対して吉田は“手強かった”と語る。

「普段は、僕が大きい声を出したり、相手の目を見てその人に向かってセリフを発すると、たいていの場合は“怖かった”だとか“迫力があった”と言われるんです。けれど、この人(藤原)にはそういうの、一切通用しないんですよ。こちらとしては、ひるませたり、怯えさせたりしたいじゃない? そういうことが一切ないから、そりゃあ手強いですよ(笑)」(吉田)

「ははは! 僕は“大声を出したら他者を圧倒できると思うなよ”と思ってしまうタイプなので(笑)。でも、鋼太郎さんと共演する時って、ある意味とても楽をさせてもらっているんですね。鋼太郎さんが率先してそのシーンを引っ張ってくれるので、すごく頼りがいがありました。鋼太郎さんの芝居表現は、カイジの世界に合っていますし、あの空間に負けないエネルギーを持っているので」(藤原)

吉田鋼太郎、藤原竜也
吉田鋼太郎、藤原竜也

「『カイジ』は、これまでの歴代の悪役が凄いじゃないですか。香川(照之・1作目の敵役、利根川を怪演)とか。それはプレッシャーでしたね」(吉田)

先述したとおり、プライベートでも仲が良いことで知られているふたり。忙しい合間を縫って食事をしたり、お互いの出演舞台も鑑賞しているという。なお、先月はカラオケに行ったそうだが、藤原は長渕剛、吉田は70年代の歌謡曲が十八番だという。そんな盤石の信頼関係があるからか、撮影現場でも阿吽の呼吸だった。

「予めお互いに打ち合わせをするというよりは、一発勝負。僕は色々と頭で試行錯誤や計算をして、色んな演技のパターンを持っていったんですが、竜也は必ずそれに応えてくれるので、そこに演技の楽しさがあるんだよね」(吉田)

藤原竜也
吉田鋼太郎

現実を予見するかのような、格差社会のサバイバルを描く『カイジ』シリーズ。カイジを演じてきた藤原は、本作をこう捉えている。

「格差も広がって、『カイジ』の世界がいま、現実になろうとしている。『カイジ』はエンタテインメント作品ですが、福本先生は物語を通して、それをずっと僕らひとりひとりに訴えかけていたのだと思います。今回、それを改めて感じました。鋼太郎さんを筆頭に新しい共演者さんたちのおかげで、ものすごいスケールの大きな作品になったと思うし、天海(祐希)さんや生瀬(勝久)さんの出演も、僕としてはとても嬉しいです。自信を持っておすすめできる映画になっています!」(藤原)

吉田鋼太郎、藤原竜也
藤原竜也
吉田鋼太郎

(撮影/奥田耕平、取材・文/藤谷千明)

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