鵜山仁演出「黄昏」開幕に高橋惠子「この世界観がじんわりと伝われば」
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「黄昏 人生最高の輝きを今」より。(撮影:田中亜紀)
「黄昏 人生最高の輝きを今」が、本日1月16日に東京・紀伊國屋ホールで開幕した。
アーネスト・トンプソンが手がけた「黄昏」は、1978年にアメリカで初演され、1981年に映画化された作品。昨年の上演に引き続き、本公演では鵜山仁が演出を務め、出演者には高橋惠子、瀬奈じゅん、松村雄基、石橋徹郎、若山耀人、石田圭祐が名を連ねた。なお石田は、軽度の心筋梗塞のため降板した村井國夫に代わって出演する。
“老い”をテーマにした本作では、登場人物たちが家族の絆を探していく物語が描かれる。80歳を迎えようとしているノーマン(石田)は、彼より10歳若い妻のエセル(高橋)と共に、ひと夏を過ごすためゴールデン・ポンドを訪れる。そこに、ノーマンと反発していた娘のチェルシー(瀬奈)が、自身のパートナー・ビル(松村)とその息子ビリー(若山)を連れて現れて……。
演出の鵜山は「再演というのは実に不思議な出来事で、俳優諸氏や舞台の空気感は変わっても、そこには相変わらずの持続性というか、不滅の何かがある。ふたたびこの世界に浸ることで、僕たちは『経験を深めつつ若返る』という『舞台』ならではの、稀有な体験をしているような気がします」と語り、高橋は「再演となる今回は、新しいキャストが4人、前回に引き続いての方が2人。演出家も前回と同じ鵜山さんですが、新たな気持ちで演出をつけてくださったので、これまでとは、またちょっと違う『黄昏』になっているかもしれませんね。『黄昏』のこの世界観がじんわりとお客様に伝わるといいなと思います」とコメントしている。
公演は1月19日まで。鵜山と高橋のコメント全文と、松村、石橋、若山、石田からのメッセージは下記の通り。
鵜山仁コメント
一昨年の初演から今回の再演にかけて、「黄昏」の座組には大きな変化がありました。エセル、ノーマンの老夫婦が高橋惠子さん、石田圭祐さんに。チェルシー、チャーリーの二人が瀬奈じゅんさん、石橋徹郎さんに変わりました。ビルとビリーの松村雄基さん、若山耀人君は引き続いての登板です。
再演というのは実に不思議な出来事で、俳優諸氏や舞台の空気感は変わっても、そこには相変わらずの持続性というか、不滅の何かがある。ふたたびこの世界に浸ることで、僕たちは「経験を深めつつ若返る」という「舞台」ならではの、稀有な体験をしているような気がします。
高橋惠子コメント
何より、お稽古からこれまでがあっという間で、もういよいよ初日という感じです。再演となる今回は、新しいキャストが4人、前回に引き続いての方が2人。演出家も前回と同じ鵜山さんですが、新たな気持ちで演出をつけてくださったので、これまでとは、またちょっと違う「黄昏」になっているかもしれませんね。「黄昏」のこの世界観がじんわりとお客様に伝わるといいなと思います。
瀬奈じゅんコメント
この「黄昏」という戯曲が、様々な家族の形がある現代でどのように伝わるのかな、と楽しみな面が大きいです。私自身は、久しぶりのストレートプレイですし、共演者の皆様と楽しみながら思い切りぶつかっていけたらいいなと思います。ご来場いただくお客様に、家族の大切さ、あたたかさを改めて考えていただける機会になれば幸いです。
松村雄基コメント
カンパニーの雰囲気がアットホームなためか、あまり緊張はないですね。お稽古中もそんな雰囲気の中で皆さんとずっと同じ時間を過ごして、現場にいるのが心地よくて楽しかったです。再演というのは、前回できなかったことをやり直すチャンスでもあり、作品に対して、これはこういう意味だったのかと新たな発見ができる機会でもあり、それもあって楽しかったのかもしれません。新しい「黄昏」をどうぞご覧ください。
石橋徹郎コメント
今回は再演ということですが、前回から続投のキャストも、改めて作品に向き合ってくれていて、お稽古がすごく面白かったです。共演者の皆さんは、「黄昏」という優しい物語にぴったりの良い方ばかり。いよいよ初日を迎えるわけですが、ご来場のお客様の気持ちと重なって、どんな時間が流れるのか今から楽しみです。僕たちも真心込めてお届けしますので、お客様もゆっくりと、作品に流れる時間を楽しんでいただければと思います。
若山耀人コメント
やはり、劇場に入って客席を目の前にすると気持ちが切り替わるので、今はとにかく楽しみです。最初は、初めてお会いする方もいたので緊張もしたんですが、とても良いキャストの方々に恵まれて楽しくお稽古させていただきました。家族がテーマになっているので、年の初めにこの作品を観て、今年は自分の家族ともっと仲良くしてみようと思っていただけるといいなと思います。
石田圭祐コメント
僕は杉浦直樹さんと八千代薫さんが出演されていた「黄昏」にビル役で出演していたので、お二人の雰囲気を思い出しながらお稽古に臨んでいました。この機会に改めて映画の「黄昏」を観たのですが、原作戯曲の方とは印象が異なり、映画をご存知の方がこの公演をご覧になるとまた違う楽しみ方ができると思います。頑張りますので温かく見守っていただければありがたいです。
「黄昏 人生最高の輝きを今」
2020年1月16日(木)~19日(日)
東京都 紀伊國屋ホール
作:アーネスト・トンプソン
翻訳:青井陽治
演出:鵜山仁
出演:高橋惠子 / 瀬奈じゅん、松村雄基 / 石橋徹郎、若山耀人 / 石田圭祐