竹内涼真、日曜劇場でステップアップ 『テセウスの船』満を持しての主演に寄せる期待
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昨今、個性の強い若手俳優が多い中、王道の好青年を貫きつつもしっかりとキャリアを積んでいく実直な姿は、華やかさだけでなく誠実さも感じさせる。そんな竹内涼真が、今回『テセウスの船』で『ブラックペアン』(いずれもTBS系)以来およそ2年ぶりに日曜劇場に帰還。日曜劇場初主演として作品を引っ張っていく。
【写真】ハーモニカを吹く竹内涼真
本作は、週刊漫画誌『モーニング』(講談社)で連載されていた東元俊哉による同名コミックスを原作とし、時代を超えて繋がる家族の絆を描く。竹内は、生まれる前に父が殺人犯として逮捕された主人公・田村心役として、加害者の家族として世間から厳しい視線を浴びながら生きてきた青年を演じる。さらに心をいつも励まし支えてくれる妻・田村由紀を上野樹里が、心がタイムスリップした事件直前の平成元年の父・文吾と母・和子をそれぞれ鈴木亮平と榮倉奈々が演じる。SNSでは人気ミステリーの映像化、そして過酷な雪国ロケに対して「雪山の撮影すごい大変だったんだね…。そんな凄いものが見れるの嬉しすぎる」などハードな撮影を乗り越えての映像に期待する声も寄せられている。
2014年に『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)で主演を務めてから6年。竹内は俳優として着実にステップアップを続けた。『下町ロケット』(TBS系)、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)、『ブラックペアン』などゴールデン帯のドラマに次々出演し、人気をものにしていく。竹内は、その出演作の多くで“技術を有する職業”を演じることが多かった。例えば。『下町ロケット』では技術開発部技術者、『ブラックペアン』では医師としての技術、さらに『陸王』(TBS系)では期待の新人として注目を浴びる中太ももを故障してしまう陸上部員を熱演し、マラソンランナーに見えるような肉体改造や走り方のトレーニングをするなど役にもストイックに向き合ってきた。まさにこうした実直さが今回の大抜擢につながったと言えるだろう。
今回、『テセウスの船』では職業人やアスリートではなくごく普通の青年を演じる。抱えている背景の複雑さから、演じるにあたっては繊細な心理描写が肝になってくるだろう。自らの心の内部へのアプローチが必要な今回の役作りが、具体的な手技の練習や肉体改造とは違った意味でハードなのは想像に難くない。過酷なロケの中で心を駆使する役に、竹内がどう向き合っていくのか。さらに本作はミステリーとあって、主人公が物語をリードしていく様子が非常に重要になる。謎を紐解く様子、父との向き合い方などを、竹内がどう表現していくのかも気になるところである。
コツコツとキャリアを積み、満を持しての日曜劇場初主演。よりキャリアの長い役者が共演者として名を連ねる中、座長として作品を背負うプレッシャーは計り知れない。しかし同時に、竹内なら確実に地盤を固め全うしてくれるだろうという期待もある。豪華出演陣と若手座長のハーモニーで、家族の絆を描いたミステリーがどう描かれるのか、必見だ。
(Nana Numoto)