ロシオ・モリーナ、5年ぶり来日公演が3月上演 ドキュメンタリー映画も公開
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舞台『ロシオ・モリーナ舞踊団 Fallen from Heaven ―天から落ちてきて―』が3月7日に東京・外苑前の日本青年館ホールで上演される。
ロシオ・モリーナは1984に年にスペイン・マラガで生まれたフラメンコダンサー。伝統的なフラメンコをベースに、映画や哲学、文学といった他ジャンルの影響を受けて作品を制作しているという。2010年に『スペイン国家舞踊賞』を受賞。
ロシオ・モリーナにとって約5年ぶりの来日公演となる『ロシオ・モリーナ舞踊団 Fallen from Heaven ―天から落ちてきて―』は、2016年にフランス・パリのシャイヨー国立舞踊劇場で初演。2017年にはスペインのセビージャで行なわれたフラメンコフェスティバル『ビエナル・デ・セビージャ』で上演され、ダンサーおよび振付師として最優秀賞を受賞した。チケットは現在販売中。
ロシオ・モリーナは同作が影響を受けた作品について「ルネサンス期に活躍した画家、ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』にもインスパイアされました。私はいつも、作品を制作するとき、暗い部分に注目するのですが、痛みを伴うこと、悲劇的なことに、人生が映っていると思うのです。まさにフラメンコも、苦しみの中から“宴”が生まれています」とコメント。
また世間からの批判については「世間の意見などはどうでもいいのです。なぜなら私は、私に必要なこと、私が信じていることをやっているのですから。いい時もそうでない時もあります。でも、どんなかたちで、どんなスタイルだろうと、誠実で本物であれば」と語っている。あわせてフラメンコ研究家・志風恭子のコメントも発表されている。
なお3月13日からは同作の初演までの舞台裏を追ったドキュメンタリー映画『衝動―世界で唯一のダンサオーラ』が東京・銀座の東劇、恵比寿の東京都写真美術館ホールほか全国順次で公開される。
志風恭子のコメント
ロシオ・モリーナの登場は衝撃的だった。どんなジャンルでもスターが生まれにくい時代に、突然現れた二十歳そこそこの小柄な女の子は、抜群の身体能力と卓越したそのテクニック、生まれ持ったカリスマ性で観客を圧倒した。26歳の若さでスペイン国家舞踊賞を受賞。これまでに十を超える話題作、問題作を世に送り出してきた。
彼女の一挙一動は常に注目の的だ。2016年に初演された『カイーダ・デル・シエロ』は、「この作品の力は私の卵巣、子宮から生まれた」とロシオが語るように、今までの作品以上に、女性であること、を意識したものとなっている。伝統的なフラメンコやスペイン舞踊をきちんと学んだ人だが、伝統の枠にとらわれることなく、演劇やコンテンポラリーダンスなど、様々な要素を取り入れて、自由な発想でロシオ・モリーナならではの世界を描き出していく。
驚きと感動、そしてユーモア。ロシオを見ることなくして、フラメンコの今は語れない。勇敢で力強く、前を向いて歩き続けるロシオの世界を間近に感じてほしい。