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根本宗子、11年目は2作品の連続上演で幕開け

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別冊「根本宗子」第8号『THE MODERN PLAY FOR GIRLS 女の子のための現代演劇』が、1月22日(水)から26日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演される。

昨年末に代表作『今、出来る、精一杯。』で新国立劇場 中劇場に進出。息つく間もないスピードで10周年イヤーを駆け抜けた演劇モンスターが、今度はKAATで新展開を見せる。

この別冊「根本宗子」とは、根本宗子が主宰する劇団、月刊「根本宗子」の派生ユニット。これまでも月刊「根本宗子」とはひと味違ったチャレンジングな試みに挑み続けてきた。

今回のチャレンジは、まず2本連続上演であること。そしてそのうちの1本『Whose playing that “ballerina”? そのバレリーナの公演はあの子のものじゃないのです。(English ver.)』はタイトル通り全編英語(日本語字幕あり)だ。

この作品に関しては初演を観ているのだけど、ぼっちの女の子が3人の女友達と出会い、孤独から救われていく……というストーリー。だけども、それだけじゃないのが、根本宗子のすごみだ。自虐と妄執が自家中毒を起こしながら、笑えないはずの人生を爽快に笑い飛ばしていく終盤のカタルシスは、天下一品の破壊力。あの疾風怒濤のセリフ量が英語劇になったとき、どんな変化を見せるのかは一見の価値ありだろう。

そしてもう1本は新作『超、Maria』。こちらは根本宗子と、姉妹の音楽ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のボーカル・ももによる二人芝居。それを、同じく「チャラン・ポ・ランタン」の小春の生演奏と共に上演する。根本宗子と「チャラン・ポ・ランタン」と言えば、『愛犬ポリーの死、そして家族の話』で劇中楽曲の提供を受けるなど、その相性の良さはすでに証明済み。

タイトルの『超、Maria』が文字通り聖母マリアのことだとしたら、これまで女性の内面を切っ先鋭いセリフで過剰なぐらい饒舌に描いてきた根本が、聖母をモチーフにどんな二人芝居をつくるのか興味が尽きない。

タイトルに掲げる通り、今回はまさに女の子による女の子のための演劇。ニットブランド『縷縷夢兎』の東佳苗の舞台装飾など、そのガーリッシュな世界観は夢見る女の子たちの心を、時にスイートに、時にビターにくすぐるはず。そして男性は恐る恐る足を踏み入れつつ、彼女たちのパワーにねじ伏せられてほしい。

文:横川良明