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「偽義経冥界歌」東京・博多へ、いのうえひでのり「10分くらいは短くなる」

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ナタリー

左から中山優馬、生田斗真。

2020年劇団☆新感線 39(サンキュー)興行・春公演「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』」の記者会見が、本日1月21日に東京都内で実施された。

劇団☆新感線の旗揚げ39周年を記念した「39興行」の一環として上演される本作「偽義経冥界歌」は、“いのうえ歌舞伎”の新作。昨年3月から4月にかけては、大阪、石川、長野で上演された。

会見には作の中島かずき、演出のいのうえひでのり、出演者の生田斗真、りょう、中山優馬、藤原さくら、粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴、三宅弘城、橋本さとしが出席した。中島は、生田が高校生のときに初めて出会ったと言い、「ずっと書き下ろしをやりたかった。いざ書いたらバカな役になり、『すまん』と思っています」と場内の笑いを誘う。また昨年の公演を「想像以上に光に満ちた舞台だった。真ん中に立つ斗真くんの魅力で、明るくて不思議な作品になっていました」と振り返った。

いのうえは昨年の公演について「気合のあまり詰め込みすぎて、新感線史上、最も立ち回りが多い作品になった。こんなはずじゃなかった……」と苦笑いを漏らし、登壇者を笑わせる。さらにいのうえは「若手が中心の作品だと思って階段や八百屋舞台を使ったら、2幕ではうちの“おじいさん”たちを走らせる展開になった(笑)。そのあたりも考えてブラッシュアップしているので、10分くらいは(上演時間が)短くなるんじゃないかな」と話した。

生田は大阪、石川、長野公演を「階段と傾斜がついた舞台でできているステージだったので、我々は常に体が斜め(笑)。みんなヒイヒイ言いながらがんばりました」と回顧し、「令和版『偽義経~』では、さらにクオリティが上がります」と自信をのぞかせる。またキャストたちはこの日の会見に、おそろいの黒い鯉口シャツ姿で登場。このシャツを贈った生田は「チームワークをさらによくするために、みんなで同じものを着たくて」と笑顔で意図を明かした。りょうは「前回観た方も、初めての方も楽しめると思う」と観客の期待を煽る。座長である生田の印象を司会に尋ねられると、りょうは生田と照れくさそうに「えっへっへ」と笑い交わしてから、「斗真くんは稽古でもいろいろ提案してくれる。頼りになります」とコメントした。

中山は鯉口シャツを示しながら「斗真くんがシャツにコロコロをかけてくれたので、きれいな状態で会見に登場できました」と話して会場の笑いを誘う。初参加の劇団☆新感線については「毎日稽古場に行くのが楽しみです」と充実ぶりを語る。また今作が初舞台となった藤原は、劇中で演奏や歌唱を披露することに触れ、「この作品では歌が鍵になります。今回は大阪、金沢、松本では歌わなかった曲が増えるので、精一杯歌いたい」と意気込んだ。

粟根は「今回は立ち回りがシンプルになり、“年かさ組”も楽をさせていただきます。まあ私は去年も今年も殺陣は2手だけで、あとはただ逃げ回っています」と記者たちを笑わせ、続く山内も「過去2年、豊洲でグルグル回っていた新感線が久しぶりの通常営業で、まるで“懲役”が明けたよう」と冗談を飛ばして場内を笑いで包む。また「前回は公演中に体重が7kg落ちた」と明かす早乙女は「今回は昨年より公演数が多いのですが(笑)、最後まで楽しみたい」と抱負を述べた。

東京・博多公演から参加の三宅は、「これまで新感線では大体、うつけ者とロボットを演じていました。今回初めて、比較的まともな人間役です」と切り出して登壇者の笑いを誘う。長物を用いた立ち回りや、博多座、TBS赤坂ACTシアターに立つことも初めてだと言う三宅は「50歳を過ぎてここまで初めてづくしの公演はなかなかない。その幸せを噛み締めながら、経験者たちの中で1人苦戦しています」と笑い交じりに語った。

橋本は「『偽義経~』にはロックや笑い、バカだけどカッコよくてグッとくる、など、大好きなものが詰まっている。これぞ新感線という舞台です」と本作をアピール。さらに福岡・博多座公演があることに触れて橋本は「僕は今までいのうえさんに2回、本気の『死ねー!』を言われたことがあります。そのうち1回が、新感線が博多に初上陸したとき。僕がいのうえさんに追いかけられるシーンで出とちりをしたせいで、いのうえさんが1人で舞台を走り回ることになりました。いのうえさんに『死ねー!!』と、聞いたこともないハイトーンボイスで言われて。今度こそ成長した姿をいのうえさんにお見せし、最高の舞台を東京と博多に届けたい」とエピソードを明かしつつ決意を表明し、会見場を爆笑で包んだ。

会見後に実施された囲み取材には、生田、中山、りょう、藤原が出席。中山は今作で初共演した生田を「ちょっとムカつくぐらい、ほとんど完璧な人です」と称賛。生田に点数を付けるなら「99点」と語った中山は、100点ではない理由を「舞台メイクが下手なところ(笑)」と明かす。これを受けた生田は「優馬は化粧が上手なんです! 僕、ダメですわ……」と肩を落とし、記者たちを和ませた。

公演は2月15日から3月24日まで東京・TBS赤坂ACTシアター、4月4日から28日まで福岡・博多座にて。博多座公演は2月8日10:00にチケットを発売。

2020年劇団☆新感線 39(サンキュー)興行・春公演「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』」

2020年2月15日(土)~3月24日(火)
東京都 TBS赤坂ACTシアター

2020年4月4日(土)~28日(火)
福岡県 博多座

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:生田斗真 / りょう、中山優馬、藤原さくら / 粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴 / 三宅弘城 / 橋本さとし / 右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋 / 山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、武田浩二 / 狩野新之介、鈴木智久、山崎翔太、渡部又吁、小板奈央美、後藤祐香、齋藤志野、鈴木奈苗、藤家剛、川島弘之、菊地雄人、あきつ来野良、藤田修平、北川裕貴、紀國谷亮輔、下島一成

※山崎翔太の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

※2020年3月11日追記:新型コロナウイルスの影響で、3月17日(火)までの公演は休演になりました。
※2020年4月2日追記:新型コロナウイルスの影響で、東京公演は2月28日(金)から3月17日(火)まで休演、福岡公演は中止となりました。