戸田恵梨香と松下洸平がもう一度歩み寄る 『スカーレット』工房で語り合った夜
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喜美子(戸田恵梨香)に新たなインスピレーションが舞い降りた連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)第93話。ジョージ富士川(西川貴教)のおかげで喜美子を励まし続けた“かけら”の秘密が明かされる。
東京での会場の下見を終えた八郎(松下洸平)が、家に戻らず電話をかけてくる。八郎からの電話に嬉しそうな声をあげる喜美子。すると八郎は、駅で偶然ジョージ富士川に会い、カフェ・サニーにいるからと喜美子を誘った。喜美子は慌ててサニーに向かう。
【写真】朝ドラでブレイク中の松下洸平
ジョージ富士川は、自身の制作スタイルについて、「全部出すねん、それが作品が完成した途端、また沸いてくんねん。誰でもあんねん、熱うなる瞬間」と表現する。芸術を追求することに悩んでいる八郎や、これから向き合っていかなければならない喜美子、両者にとってその言葉は深く刺さっただろう。ジョージ富士川は、かつて喜美子が拾った“かけら”を見に工房に来る。“かけら”は、喜美子が大阪に働きに出る前日、常治が教えてくれた場所に夕陽を見に行って偶然拾ったものだった。ジョージ富士川はその“かけら”がどうしてこんなに綺麗な焼き物なのか、なぜこんな色になるのかを柴田(中村育二)に尋ね、“かけら”の謎を解き明かす。喜美子が大阪に行く前日に拾ったかけらは、ちや子(水野美紀)、八郎、ジョージ富士川と喜美子が出会ってきた大切な人たちの助言でその全貌を明らかにしていく。それはまるで喜美子を導いているようだった。
喜美子が工房にいると、八郎がおにぎりを持って工房にくる。見た目は不格好だが愛のこもった差し入れだった。そして工房で二人は語り合う。八郎は、東京で見てきた団地についてや、鍵っ子の存在について喜美子に説明した。そして自身の和食器セットがそんな団地の家族に使われることを夢想していた。「芸術を極めるのは喜美子に任せた」と言う八郎は、芸術を離れ、新たな目標を見つけたよう。一方で喜美子は、ジョージ富士川との会話でインスピレーションを得て、作りたいものがはっきりとする。「『明日から一人で頑張るで』、あの時のあの気持ちを残したい。何かに残したい」「いつかはこういう色合いを出して、誰かのことを励ましてあげたい」と、“かけら”と同じ色を追求することを決意する。「いつか叶えたい、うちの夢や」と語る喜美子は生き生きとしている。
いよいよ、喜美子がアーティストとして陶芸と向き合う基盤ができてくる。もともと才能があり、八郎を苦しめるほど自然に「湧き上がってくる」タイプの喜美子。作家としての一歩をまた大きく前に出し、陶芸と共に生きる姿を披露した。そしてついに工房の電気窯が壊れてしまう。喜美子らの生活に大きな変化が訪れる予感だ。
(Nana Numoto)