烏丸ストロークロックが歳月をかけて『まほろばの景』を再創作
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烏丸ストロークロック『まほろばの景』(2018年2月) 撮影:東直子
京都を拠点として活動し、今年で旗揚げ20周年を迎える烏丸ストロークロック。2018年に発表し彼らの代表作となった『まほろばの景』を再創作して全国四都市で上演する。
東日本大震災で実家を失った男・福村が、災害ボランティアなどを経て知的障害者施設のヘルパーとして働き始める。そこで出会った利用者・和義と関係を築くも、彼があるとき姿を消してしまう。山を探し歩く中で、さまざまな人々と出会うという物語。2018年の上演では、舞台美術と音楽もあいまって、異世界への没入感を高めていた。
ひとつの題材に対し、長い期間をかけて取り組むのが彼らの特徴。さまざまなアプローチで短編をつくり、それを長編へと昇華させる。『まほろばの景』も2017年から仙台での滞在制作による短編など、いくつかの作品を積み重ねて2018年に長編化。今回はさらに再度の滞在制作、東北神楽や修験道体験の取材やフィールドワークを実施したという。今作は神楽や山岳信仰など、日本古来の文化がふんだんに織り込まれている作品だが、今回の再創作ではそれがより深みを増すことになるだろう。じっくりと時間をかけたからこそ生み出される表現に期待したい。
烏丸ストロークロック『まほろばの景2020』は、1月25日(土)から27日(月)まで兵庫・AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)、2月16日(日)から23日(日・祝)まで東京芸術劇場 シアターイースト、2月29日(土)・3月1日(日)に三重県文化会館 小ホール、3月6日(金)から8日(日)まで広島市東区民文化センター ホールにて上演。
文:釣木文恵