FUKI×SHUが語り合う、制作の中で生まれた信頼関係とカバーに臨む思い「毎回新しい扉が開く感覚がある」
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恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第9弾となる『COVERS FOR LOVERS VOL.2』は、“ダイアリーデー”をテーマに制作したカバーEPの2作目。今回のインタビューでは、FUKIの「KISS.」や「Our Love Story」などの楽曲アレンジやバンドメンバーでもあるSHU INUIとの対談を企画し、収録曲の「Together」(MONKEY MAJIK)、「大丈夫」(古内東子)、ANSWER(槇原敬之)、「ひとりじゃないのよ」(KREVA)について、そして長年FUKIの成長を見続けてきたSHUだからこそ語れるFUKIのシンガーソングライターとしての魅力を語ってもらった。(編集部)
FUKIの紡ぐ言葉がどんどん変化していく(SHU)
ーーFUKIさんとSHUさんのつきあいはかなり長いそうですね。
FUKI:そうですね。デビュー前からのつきあいなので、もう兄妹のようです。何も気を遣う必要のない間柄というか(笑)。
SHU INUI(以下、SHU):そうだね。僕はフリーのミュージシャンなのでいろいろなプロジェクトに関わっているんですけど、その中でもFUKIとの関係が一番長いんですよ。僕がまだほんとに駆け出しの頃から一緒にライブをしたり、楽曲制作をしたりしてきたので。
FUKI:メジャーデビュー前にカバーアルバムを一緒に作ったりもしたしね。
SHU:うん。だから共に音楽人生を歩んできたマブダチみたいな感じがある(笑)。
FUKI:お互い成長したよね。SHUちゃんのことはギタリストとしても信頼しているし、人間的にも一緒にいるとすごく安心できるんです。なので今日の対談もゆるりとした気持ちでできるのでうれしいですね(笑)。
ーーSHUさんはFUKIさんのシンガーとしての魅力に関してはどう感じていますか?
SHU:僕が感じるFUKIの魅力はまずやっぱり歌詞ですね。一緒に制作をする中でFUKIの紡ぐ言葉がどんどん変化していくのが僕としてはすごく楽しいんです。日々、いろいろなことを感じながら生きていることが歌詞から伝わってくるから。で、そうやって歌詞が変化していく中で歌い方もどんどん進化して、どんどん素敵になっていってるし。そこに関してのリスペクトはかなり大きいですね。……って、普段は面と向かってこんなこと絶対言わないですけど(笑)。
FUKI:確かにそうだね(笑)。SHUちゃんは『12 Sweet Stories』にも最初からアレンジやギターで参加していただいているので、ほんとにありがたいです。
SHU:このプロジェクトのコンセプトを聞いたときはちょっととまどったけどね(笑)。1年間、毎月リリースしていくって、ものすごいボリュームじゃないですか。だから最初はどんな内容になるのかが全然イメージできなかったというか。でも楽曲が1曲1曲完成していくごとに、「あ、こういう形になっていくんだな」「こういうプロジェクトなんだな」ってことがだんだんわかってきて。“ラブソング”というテーマを1曲ずつ深堀っていく中で、FUKIがいい意味で期待を裏切ってくれる感じもあるから、めちゃめちゃ楽しみながら関わらせてもらってます。
ーー制作中のFUKIさんはどんな感じですか?
SHU:FUKIはね、いろんな表情を見せてくれますよ。
FUKI:ヤバいときはヤバいですよね(笑)。
SHU:そうだね。悩みまくってヤバいときもあるし、でもガッと集中してやるときはやるしっていう。まぁでも音楽への向き合い方は常にピュアですよね。そこが一番印象的かな。例えばプリプロダクションのときに仮で歌を入れてもらうんですけど、そこでたとえいい歌が録れたとしても実際のレコーディングでは絶対に新たなニュアンスを盛り込んでくるんですよ。時にはもうまったく別の曲かってくらい変化していたりする。同じメロディと言葉であっても解釈の仕方によって歌い方がいろいろ変化するんだなって、毎回ビックリしてます。あれは意識的にやってることなんだよね?
FUKI:うん、意識的ではあるかな。プリプロがあると一度自分で歌ったものをもう一度じっくり考えなおすことができますからね。それをふまえて歌うとやっぱり何かしら変化する部分があるっていう。
SHU:で、当然本チャンのほうが良くなっているし。そういう過程が見られるのはすごくおもしろいですね。
ーーこれまでリリースされてきた『12 Sweet Stories』の楽曲で印象に残っているものはありますか?
FUKI:第1弾の「KISS.」はSHUちゃんが丸々アレンジしてくれたものだよね。
SHU:そうだね。プロデューサーのEIGOさんとやり取りしながらではあるけど。
FUKI:「KISS.」はね、12カ月連続リリースのはじまりの曲だったから、私としてはサウンド的にどんな方向性の曲になるのかがあまりイメージできてなかったところがあって。でも完成してきたアレンジを聴いたときに、「おー!」ってすごくいい意味でビックリしたんですよね。自分としてもすごく好きな曲になったからうれしかった。
SHU:このプロジェクトはとにかく目まぐるしく進んでいってるから、「KISS.」の頃のことってあんまり覚えてないんだよね(笑)。時間的にはけっこうギリギリだったから、制作は大変だった記憶があるけど。
FUKI:あははは。まぁ毎回ギリギリではあるけどね。第2弾の「アワラブ」(「Our Love Story」)のアレンジもSHUちゃんだっけ?
SHU:俺だね。あ、「アワラブ」の制作では鮮明に覚えてる記憶がひとつある。アレンジをどうしようかって考えているときに、EIGOさんとFUKIと僕の3人の中にカントリーロックっぽくしたいよねっていうざっくりしたイメージがあったんですよ。ただ、カントリーロックって一言で言ってもどの年代のものなのか、白人っぽい雰囲気なのか、日本人が消化したものなのかみたいな感じでいろいろあるわけで。それこそ100人いたら100人とも違ったイメージをするものだと思うんです。にもかかわらず、3人の中でその瞬間に鳴った音のイメージが一緒だったんですよ。
FUKI:あー、あったね、そんなことが。以前の取材でも話したと思うんですけど、初期のテイラー・スウィフトのイメージが3人の中で浮かんだんですよ。
SHU:そうそう。気持ち良くイメージがハマったんです。それって要は、この3人の中に音楽的な面での共通言語ができているってことじゃないですか。長い付き合いの中で、そういった関係性になれていることをあらためて感じることができたから、すごくうれしかった記憶があるんですよね。
FUKI:そういう関係性だからこそ、アレンジ面は安心してまかせられるところもあるんですよね。「疾走感のある感じで」みたいなざっくりしたリクエストをすることはたまにあるけど、基本的には私の歌詞と歌からイメージを見事に吸い取ってくれますから。
SHU:僕がアレンジで関わらせてもらう場合、プロデューサーのEIGOさんの意向とFUKIの歌詞と歌を大きな核として考え、それを踏まえてどこに着地するべきなのかを徹底して考えるようにしてるんです。そこをしっかり感じ取れていれば、長年一緒にクリエイティブしている間柄なので、大きなイメージの掛け違いが起こらないかなと。
FUKI:世間一般としてはアレンジがしっかり固まった状態で歌入れをするのかもしれないけど、うちの現場ではピアノ1本のシンプルなデモで歌を録ることが多いんです。だから流れとしては、できあがったアレンジに私が近寄っていくのではなく、みんなが私の歌に寄って来てくれている印象が強いんですよね。私の歌詞と歌が一番いい形で響くようにみんなが力を貸してくれているのは本当にありがたいなって思います。
SHU:アレンジ作業は歌録りと並行して進めてはいるんだけど、全体の方向性はやっぱりFUKIの歌を聴いてみないと見えてこないですからね。ある程度アレンジしておいたものに、本チャンの歌を聴いてから変更を加えていくことはめちゃめちゃ多いですね。
FUKI:ギリギリの進行の中でみんながほんとに私のことを中心に考えてくれているんでね、いつも心から感謝しております(笑)。
SHU:ふふふふ(笑)。
FUKIのカバーから感じる“歌い手としてのチャレンジ精神”
ーーでは、ここからは1月14日「ダイアリーデー」にリリースされた『COVER FOR LOVERS VOL.2』のお話を伺いましょう。今回は恋うたカバー4曲を収めたEPですね。
SHU:なんかさ、カバーにはどこか特別な思い入れがあったりするよね。
FUKI:確かに確かに。SHUちゃんとやった最初の制作もカバーだったし。そう考えるとうちらってカバーをよくやってるよね(笑)。
SHU:うん。これだけカバーをやってるメジャーアーティストもけっこう珍しいじゃん。
FUKI:ライブでもけっこうずっとカバー曲をやってるしね。私としてはもう、どこか自分の曲のような感じで歌っているところもあるんですよ。もちろんね、素晴らしいオリジナルがあってこそのカバーではあるんだけど、曲に込める思いやこだわりに関しては、自分の曲をいちから作っているのとほとんど変わらないイメージがあるんですよね。っていうか、すでにたくさんの人が知っている名曲ばかりだし、仕上がりに関しての比較材料もあるわけだから、より力を入れて向き合ってるところもあるかな。単純に「いい曲に乗っかりました」みたいな感じでは受け取ってほしくないから。
SHU:そういう思いがちゃんと感じられるから、僕はFUKIのカバーが好きなんですよね。カバーする楽曲もほんとにジャンルレスだから、歌い手としてのチャレンジ精神も見えてくるし。だから僕がアレンジする場合は、FUKIがカバーする意味をより増幅するようなサウンドを意識してはいて。男性アーティストの曲であれば音色や質感でガーリーなサウンドにしてみたらどう聴こえるかなとか、パンクバンドの曲にFUKIらしいオーガニックな雰囲気をぶつけてみたらどうかな、みたいな感じで。その辺のバランスはかなり考えますね。
FUKI:カバーはね、自分からは絶対に生まれてこないメロや歌詞を歌うことになるわけなので、毎回新しい扉が開く感覚があるんですよ。「あ、こういう歌い方もできるんだ」みたいな発見が毎回ある。そこもおもしろいところですね。
SHU:カバー曲を決めるときはいつも楽しそうだもんね。「これ歌いたい!」「こっちも歌いたい!」みたいな感じで、すごくほほえましい(笑)。そういう姿を見ていても、カバーに対しての愛情は伝わってきますよね。
FUKI:あははは。確かに歌いたい曲はポンポン出てきますね、毎回。
ーーただ、今回のカバーEPに収録されるのは、FUKIさんにとって初めて歌う曲が多かったそうですよね。
FUKI:そうなんですよ。MONKEY MAJIKさんも槇原敬之さんも大好きでよく聴いてはいたけど、今回カバーした曲はどちらも聴いたことがなかったんです。そこはスタッフさんからの提案ではあったんだけど、でも実際聴いてみたらすごくいい曲だったから純粋に「歌ってみたい!」って思えたんですよね。レコーディングは大変でしたけど(笑)。
ーーさらに今回は古内東子さんの曲もカバーされていて。女性アーティストの曲を歌うのは初めてじゃないですか?
FUKI:そうそう、初になります。私は男性の曲を女性がどう歌うかっていうところにおもしろみを感じながら今までカバーをしてきていたので、今回も女性の曲はまったく考えてなかったんですよ。でも、これまたスタッフさんから「古内東子さんの曲はどう?」っていうアイデアをいただいたときに、「いいかも!」って素直に思えたんです。古内さんの曲は個人的にも聴いていましたし。
ーーでは1曲ずつお話を伺えればと思います。まずはMONKEY MAJIKの「Together」。このアレンジはSHUさんが手がけられていますね。
SHU:はい。ファーストインスピレーションでは、ウクレレの音を使ったりしてFUKIらしい海の要素を入れてみたいなってイメージが沸いたんですよ。ただ、リリースタイミングが冬だったので、海要素をあまり入れないような方向性にしていって。結果的にはそれがいいバランスになったのかなとは思いますね。あまりチルな雰囲気にしすぎなかったことで、歌詞の言葉がもつ説得力が増したかなと。
FUKI:久しぶりにバンドで録れたのも良かったよね。
SHU:そうだね。今回はそれこそみんな6、7年くらいの付き合いになるコアなバンドメンバーが揃ったので、すごく楽しい雰囲気で録れました。同窓会みたいな感じで(笑)。
FUKI:「こんな感じで」ってちょっと話したら、すぐOKテイクが録れちゃいますからね。安心感がすごくありました。歌入れは別日だったんですけど、その様子をずっと眺めさせていただいて(笑)。
SHU:で、レコーディングが終わったら、みんなでフライドチキンに食らいついてね。
FUKI:そうそう。何本も食べましたね。やっぱりね、知らない人の前で肉にかぶりついたりってなかなかできないじゃないですか(笑)。そういうことができるのも、気心の知れたメンバーたちだからこそですね。そういう関係性や現場の楽しい雰囲気は、楽曲にもしっかりあらわれているんじゃないかなと思います。
ーーこの曲の歌に関してはいかがでしたか?
FUKI:気持ちが軽くなる素敵な歌詞だから、重くなりすぎないようにライトに歌おうと思ったんですけど、それがものすごく難しくって。スムーズに行くだろうなって予想してたのに、これが一番時間かかりました。全然思うように歌えないから、途中で挫折しそうになったりして(笑)。
SHU:あはははは。
ーーここ最近のせつなさを意識した歌い方とは違ったアプローチが求められる曲ですからね。その難しさがあったのかも。
FUKI:そうそう。冬のせつない感じに慣れてきちゃってたから、こういうポジティブな歌をどう伝えるべきなのかにすごく迷ってしまったというか。結果的にはいい歌が録れたとは思っているんですけど。
SHU:今回は歌録りに立ち会えなかったから、そんなに苦労したなんて知らなかった。でも、バッチリな歌になってると思いますよ。ほんとに最高の仕上がりだと思う。
ーー2曲目は古内東子さんの「大丈夫」ですね。FUKIさんが歌う女性曲のカバーもいいなぁと純粋に思いましたが。
FUKI:ありがとうございます。自分でも、この曲は私にすごく合ってるなと思えたんですよ。思うがままにスッと歌ったら、それでOK。めちゃめちゃスムーズで、2時間かからないくらいで終わりましたね。女性の方が書いたこういうタイプの曲も自分には合うんだなっていう発見ができたのがうれしかったです。
ーー女性ならでは視点で書かれた歌詞だから、同性として共感できる部分も多かったんじゃないですか?
FUKI:うんうん、「わかるー」って感じでした(笑)。ほんとに男性には絶対に書けない素敵な歌詞だと思います。これがいいきっかけになったから、今後も女性アーティストの曲をカバーできたらいいなぁっていう思いもあったりはしますね。歌ってみたい曲はいっぱいあるので。
SHU:ちなみに僕はこの曲でギターを弾かせてもらっています。アレンジャーの縄田(寿志)さんもFUKIの現場は長い方なので、明確なディレクションをしていただいて。レコーディングは一瞬で終わりましたね。ギターがものすごくかっこよく聴こえるアレンジをしてくださっているので、ぜひそこにも注目してください(笑)。
ーー続いては槇原敬之さんの「ANSWER」です。
FUKI:カバーするにあたって初めて聴いたんですけど、ほんとにいい曲で。ビックリしました。メロをしっかり覚えるのにけっこう必死だったけど、一度体に入ってしまったら感情移入もしやすくて。すごく歌いやすかったんですよね。
ーー悲しいラブソングではないけど、とんでもなくせつない曲ではありますからね。FUKIさんが得意なところなのかも。
FUKI:そうそう。ほんとにせつなさがすごい! 「改札のところでね、こういうことあったわー」みたいな(笑)。自分の記憶を思い出しながら気持ち良く歌うことができました。
ーーピアノ1本のシンプルなトラックなので、FUKIさんの歌がより前面に出ている印象もありますよね。
FUKI:この曲は最初から縄田さんのピアノ1本で行こうっていうイメージが私とEIGOさんの中にあったんですよね。すごくいい雰囲気になったと思います。ちなみにこの曲、槇原さんが17歳のときに作られたそうなんですよ。ほんともう、ただの天才ですよね。
ーーしかもこの曲、リリースされたのは28年前なんですよ。名曲は時間が経っても色褪せないということをあらためて思い知らされましたし、同時にラブソングというのは普遍的なテーマなんだなということも感じましたね。
FUKI:ほんとにそうですよね。今回は「ダイアリーデー」とのコラボなのでね、聴いてくださる方の日々を彩ってくれるいろんな年代の、いろんなタイプの4曲を入れられたことがほんとに良かったなと思いますね。
ーーそしてラストはKREVAさんの「ひとりじゃないのよ」。原曲にはSONOMIさんがフィーチャーされているので、女性ボーカル曲とも言えますね。
FUKI:今回のEPの中では、これだけが知っている曲だったんですよ。カラオケで何度も歌ったことがあったし。でもね、これもめっちゃ大変でした。原曲のイメージがものすごく強いから、まずアレンジをどうするべきなのかで迷って。さらにKREVAさんのラップ部分をどうするのかという問題もあり。最後の最後まで悩みまくりました。ラップに関しては、「今から誰か男性をフィーチャリングするか?」みたいな話まで出ましたからね(笑)。
ーー結果、仕上がったものは原曲をいい塩梅で踏襲したアレンジになり、ラップはFUKIさん自らがやられていますね。
FUKI:はい。ラップは大変だったー。ここ最近、“FUKIラップ”みたいなことをちょいちょいやっていましたけど、ここまでゴリゴリのラップとなるとやっぱり難しいわけですよ。しかも自分で書いた歌詞ではないわけだし。いざやってみると、ただの早口言葉みたいになっちゃうんですよね。“FUKIラップ”はまったく輝くことはなかったっていう(笑)。
ーーでも見事に歌いこなしている印象ですけどね。
FUKI:そこはもう、元々ラッパーだったEIGOさんに一度歌ってもらったものをなぞっていきながら自分なりのラップにしていった感じですね。まずEIGOさんにラップしてもらい、その後に私がやることになるから時間が倍かかるわけですよ。でも、やっていく中でだんだん2人ともその作業が楽しくなってきちゃって(笑)。「俺が歌ってる裏で“ヘーイ”とか言ってよ」みたいなリクエストもされたりして。いろんな声ネタを録り、それを抜き差ししながら作っていきましたね。結果、EIGOさんの声もうっすら入っているという(笑)。
ーーあははは。楽しそうな雰囲気がこの曲にも詰め込まれていると思います。
FUKI:途中、エンジニアの男の子に歌ってもらったりもしましたからね。「これ本チャンのレコーディングなのかな?」って思うくらい、はちゃめちゃな現場(笑)。
SHU:FUKIの現場は基本、全員参加型だからね(笑)。そこが楽しいところでもある。
FUKI:うん、ほんとに楽しかった。
SHU:僕はFUKIのラップっぽい歌い方がけっこう好きなんですよ。だから表現方法のひとつとして今後もどんどんトライしていってほしいなとは思いますね。
FUKI:この曲みたいながっつりラップは初めてだったから、また新しい扉が開けた気がします。これを経て、また進化した“FUKIラップ”をお聴かせできたらいいですね(笑)。フリースタイルラップが大好きなんで、そういったものとか!?
ーー選曲の妙が感じられるおもしろいEPになりましたね。どれもラブソングではあるけど、それぞれ切り口が違っているおもしろさもあるし。
FUKI:そうですね。ラブソングとは言え、恋愛にこだわっていない感じがあるというか。大きな愛を歌っていきたいという私の思いに沿った選曲になってるんじゃないかな。
ーーでは、次回の予告を最後にお願いします。来月は2月14日の「バレンタインデー」をモチーフにした楽曲になりますね。
FUKI:バレンタインデーもね、クリスマスと同じくらい重要なポイントになってくるイベントだと思うんですよ。世間的にもグッと盛り上がってくるし。なので、恋をしているすべての人たちがその日を大切にできるような曲をお届けできればいいなぁと思っております。次回はちょっとハッピーなせつなさのある曲になるような気がしますね。SHUちゃんにもいろいろお願いすることになると思いますので。
SHU:うん。もう話はいただいてます(笑)。頑張りますよ。
ーー残り3カ月となった『12 Sweet Stories』に関して、SHUさん的に何か期待するところはありますか?
SHU:現在進行形でまだ突っ走ってる最中なので、まだ全体像を俯瞰して見られてはいないんですけど、僕としては「ラストシーン」がすごく気に入っているんですよ。今のFUKIをしっかり表現できた気がしているというか。「あ、FUKIってこういうアーティストなんだな」って腑に落ちた感じがあったんです。なので、残りの3カ月の中で、もう1曲くらい「ラストシーン」のような良質でスタンダードなJ-POPを作れたらいいなっていう思いはありますね。
FUKI:あーいいですね。私も「ラストシーン」は、SHUちゃんがやってくれたアレンジも含めてすごく気に入っているので、確かにああいった曲をやりたい気持ちはあるかな。
SHU:で、プロジェクトが完結したらライブもやりたいよね。
FUKI:うんうん。仲良しなバンドのみんなとやりたい! みんな揃うと楽しさも倍増ですからね。実現できるように頑張ろう!
「12 Sweet Stories」インタビュー
・第1弾「KISS.」
FUKIが語る「KISS.」への思いと12カ月連続リリースへの挑戦「大切なのはやっぱり“今”」
・第2弾「Our Love Story」
FUKIが語る、「Our Love Story」で得たものと「12 Sweet Stories」の充実
・第3弾「Long Distance」
FUKI、“遠距離恋愛”テーマの「Long Distance」で挑戦したこと「頑張る勇気を持ってもらえたら」
・第4弾『COVER FOR LOVERS VOL.1』
FUKI×TEE「12 Sweet Stories」特別対談 二人が語る「ベイビー・アイラブユー 」とラブソング観
・第5弾「オリオン」
FUKIが新曲「オリオン」を通して見つけた、“自分らしい歌”
・第6弾「FIRSTLOVE」
FUKI、“初恋の日”に贈る楽曲「FIRSTLOVE」で描いた“最初で最後の恋”
・第7弾「LOVE and CRY」
FUKI、リアルな恋愛観を表現した“お揃い”の一曲 「LOVE and CRY」インタビュー
・第8弾
FUKI、“クリスマスイブ”に「ラストシーン」を歌う理由 「向き合いたくないラストに目を向けて」
■リリース情報
『COVERS FOR LOVERS VOL.2』
発売:2020年1月14日(火)
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