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MAMAMOO「HIP」、ZICO「Any Song」筆頭にTikTok通じて広まるK-POP 楽曲の特徴や人気の理由を考える

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 ショートムービープラットフォーム・TikTokにおいて、人気K-POPガールズグループ・MAMAMOOが2019年11月にリリースした最新アルバム『reality in BLACK』の収録曲である「HIP」が若者たちを中心に流行している。TikTokでは主に同楽曲を用いた“メイクチャレンジ”動画が多く投稿されている。音楽に合わせてメイク過程を見せる“メイクチャレンジ”動画は、TikTokの中でも人気のジャンルであるが、MAMAMOOの「HIP」が多く使われているのは何故だろうか。

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 まず、日本でこれまでTikTokに投稿されてきたメイク動画は洋楽が使われるのが主流であり、J-POPの中にはTikTokで実際にメイクチャレンジに使われることを想定とした楽曲もある。その点、K-POPはダンスなどの本格的なエンタメのイメージが強く、TikTokの魅力の一つでもある口パク(リップシンク)や日常の一部を切り取ったようなテーマの動画では、韓国語であるからこそ使用するのにハードルの高さを感じてしまうというのもこれまでの傾向であった。一方、MAMAMOOの「HIP」はTikTokで用いられているサビの部分の歌詞には英詞が多く、口パクをするにあたって真似しやすく、K-POPという若い女性を中心に憧れとして支持されているエンタメが上手い具合にメイクチャレンジにハマったことが人気の理由の一つであるだろう。また、飾らない自然な魅力で女性ファンを中心にMAMAMOO自体にも人気が出ているため、今後もこういった日常の場面でMAMAMOOの楽曲が使われることは多くなるかもしれない。実際に3月には日本でのアルバム『reality in BLACK -Japanese Edition-』を発売するなど、MAMAMOOの勢いは止まらない。

 TikTokで用いられるK-POPといえばダンスカバーをするダンスチャレンジが主流だが、最近はK-POPアーティストが公式アカウントを持つだけでなく、自らのパフォーマンスを投稿することも多い。例えば、ZICOの最新曲「Any Song」を使った“Any Song Challenge”が現在TikTokで流行している。発信源はZICO本人によるもの。この”Any Song Challenge”は主にペアで行うもので、Dance Challengeの楽曲の中でも抜群のお洒落感とリラックスしたパフォーマンスで人気だ。ZICOがリリース当初チョンハ、MAMAMOOのファサとそれぞれコラボした動画が話題となったが、その理由は、動画内で豪華な男女ペアのコラボをみせたためだけではなく、「Any Song」の曲の魅力も伝わった上、簡単な振り付けで親しみやすく感じられるようになったからだ。まさに新曲「Any Song」をアピールするのに最適な手法であった。ここにもZICOのクリエイティビティが発揮されたと言えるだろう。

 そのほかTikTokではTWICEやBLACKPINKなどの楽曲を用いたダンスチャレンジも人気であるが、iKONの「LOVE SCENARIO」はピアノの音色が印象的な落ち着いた雰囲気が支持を集めている。投稿される動画は、同楽曲を様々な場面のBGMのように用いていることが多い。TikTokではもちろん音楽なしでの動画も投稿できるが、楽曲を用いることでショートムービーに特別な演出を簡単に施すことが可能になる。特に、ユーザーが自らの飼い猫の動画のBGMとして投稿する動画では「LOVE SCENARIO (cat ver.)」として独自のハッシュタグが作られるなど人気がある。

 日本だけではなく、世界規模で人気を獲得するTikTok。人気の理由には一般人もクオリティの高い動画を投稿できるそのお手軽さにあるものの、今やアメリカでも人気を博しているBTSやTOMORROW X TOGETHERも昨年に公式アカウントを開設するなど、今やアーティスト側もそのトレンドに則った活動を始めている。TikTokで人気を得る楽曲はどれもキャッチーで真似しやすいということが前提として存在し、一度流行すればアーティストの直接的な人気獲得につながるようにもなった。今後もTikTokの特性を使った動画でアーティストが人気を得ることも十分に考えられ、もはや若者文化だけではなくアーティストのSNSツールとしても重大なものになってきている。

 昨年末からは日本でもTikTokにおける週間楽曲ランキング“TikTok HOT SONG Weekly Ranking”を公式のランキングとしては初めてビルボードジャパンで発表している。最近ではK-POPアーティスト自らの発信もあったり、実際に自ら動画を投稿しないユーザーも楽しめるプラットフォームとして確立されつつある。TikTokを通じてK-POPアーティストや楽曲のさらなる人気獲得が見込まれると同時に、幅広い層にも浸透するかもしれない。(momotoxic)