「ビートたけし杯」まさかの優勝者なし、ザ・マミィ酒井「せめて賞金だけでも…」
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賞金30万円をねだるザ・マミィ酒井。
昨日1月27日、お笑いコンクール「ビートたけし杯『お笑い日本一』」が東京・東洋館で開催され、優勝者なしという結果で幕を閉じた。
「ビートたけし杯『お笑い日本一』」は、ビートたけしが名誉顧問を務めるイベント「江戸まち たいとう芸楽祭」の一環として行われたもの。事前の映像審査を勝ち上がったバジトウフー、バオバブ、おせつときょうた、まんじゅう大帝国、ザ・パーフェクト、ザ・マミィ、マリオネットブラザーズ、オッパショ石が激突した。同大会は、たけし、高田文夫、ナイツの審査や、観客による投票で優勝者が決定することになっていたが、「どのコンビもそこまで観客を笑わせていなかった」という審査員の意向で今回の結果に。賞金30万円は次回大会への持ち越しとなった。
大会のエンディングでは、まさかの結果に騒然とする観客を見たたけしが「なんだか下がりづらくなっちゃったな(笑)」と苦笑い。出場芸人たちがしゅんとした様子で下を向く中、ザ・マミィ酒井だけは「借金が300万円あるんです! せめて賞金だけでも下さい!」と食い下がったが、たけしから「なんだお前は! フィリピンの麻薬王みてえじゃねえか!」と一蹴されてしまった。
大会後の会見にはたけし、高田、ナイツが出席。たけしは「ネタを後ろから見てたんだけど『あれ?』って思って。お客さんにはいろんな種類がいて、ある程度やってる芸人はその様子を見てネタを変えるんだけど、今回のみんなはこの日のために仕上げたネタを客に関係なくぶつけてきちゃった。結果的に芸人たちが客を意識していない状態が最後まで続いた。俺も演者の気持ちはよくわかるから、芸人たちの焦りも、お客さんがどう思ってるかも大体気付いちゃって(笑)。舞台裏で俺が『なしだろ』って言ったら、ほかの審査員も同じような表情をしてたんだよね」と、優勝者なしという結論に至った経緯を説明する。その上で「会場に来ていた区長たちも、この結果をよしとしてくれた。これが浅草のいいところ」とコメント。さらに「賞金は区長が持って帰ったらしい。今、くじら屋で飲んでるって」とうそぶいて笑いを誘った。
高田は「『ビートたけし杯』という名前で優勝者を決めるとなると、やっぱりそれなりのことをクリアしていただきたい。我々も責任があると思ってますから。優勝者が今後露出していくけど、つまらなかったら……とかいろんなことを考えてるときに、たけしさんが決断してくださったのは助かりました」と審査員としての心境を吐露。ナイツ塙も「全員が拍手して満場一致というコンビがいないと優勝者を出すのは難しいんじゃないか」と同調しつつ、「今からでもいいので、去年のマッハスピード豪速球の優勝もなしにしてほしい」とジョークを飛ばした。
会見はやがて「やっぱりナイツはすごい」という話題に。たけしは「ナイツがいなかったら東京の漫才は終わってたよ。関西と張れるのこいつらしかいねえもん」「今、一番だろ。この間の『THE MANZAI』でも一番だと思った」と称賛。「さらにBS朝日の番組(お笑い演芸館+)も毎週見るもん」と付け加えると、塙は「それは緊張するな。誰も観てないと思ってやってたんで(笑)」と述べ、「おぼん・こぼん師匠みたいにならないようにがんばります」と意気込んだ。
記者からは「全員が優勝の基準に満たない中でも順位はついていたのでしょうか?」という質問も。これに対してたけしは「いや、全員が大して笑わせてないってだけだったね。技術の上手い下手はあるんだけど、それで笑わせてなかったらしょうがないもんなあ。お笑いの場合は上手さや下手さを演者に気付かせるのもよくないし。『上手い』って言われて喜んでる奴がいるけど、それは大きな勘違い。上手いなんて思わせたら、それは間抜けな落語みたいなもんだよ」と持論を展開。さらに「4分半はやっぱり短いな。お客の様子を見ながら軌道修正ができない。来年は7分半くらいに延ばそうかな」と来年に向けての改善点を挙げていた。