ロッシーニ:オペラ『セビリアの理髪師』 極上の音楽に包まれたドタバタ喜劇の面白さ
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新国立劇場『セビリアの理髪師』2016年公演より 撮影:寺司正彦
イタリア・オペラといえば、“ドロドロの色恋沙汰”か、“抱腹絶倒のドタバタ喜劇”を極上の歌と音楽で包み込む、といった趣が多く、物語と音楽のギャップの凄さもある意味癖になる魅力になっているようにも思えなくない。
今回、新国立劇場で上演されるロッシーニのオペラ『セビリアの理髪師』は、まさに後者の代表作。抱腹絶倒のラブコメディを、ロッシーニならではの素晴らしい音楽とともに楽しむ時間は、非日常の極地と言えそうだ。
用意される舞台は、1960年代のスペインの港町セビリア。ここで展開されるコミカルでスパイスの効いた恋の物語は、バカバカしくも可笑しく楽しいシーンの連続。いつのまにやら物語の中に入り込んで楽しんでいる自分に気づくに違いない。それこそがオペラの醍醐味なのだろう。もちろん字幕付きなので、オペラ写真車でも楽しめること請け合いだ。
●あらすじ
(第1幕)
アルマヴィーヴァ伯爵はマドリードで見かけた美女ロジーナを追ってセビリアへやって来た。ロジーナに向かって窓辺でセレナーデを歌うが反応なし。落ち込む伯爵の前に現れたのは、バルトロ家の理髪師で何でも屋のフィガロ。伯爵は彼にさっそく協力を頼む。ロジーナは、後見人バルトロの監視が厳しくて自由に動けないのだが、隙をみて伯爵への手紙を窓から落とす。それを読んだ伯爵は、自分は貧しい学生リンドーロだと身分を隠して自己紹介する。バルトロはロジーナとの結婚を目論んでいたが、音楽教師兼結婚業ドン・バジリオから、伯爵が彼女に迫っていると聞き、すぐに結婚契約書を作成しようとする。フィガロはロジーナに、リンドーロは君に夢中だと伝えると彼女は大喜び。フィガロのアイディアで伯爵は兵士に変装し、宿泊許可証を持ってバルトロ家に入る。バルトロには寝耳に水の話で、本物の兵士も来て大騒ぎの中、伯爵とロジーナは初めて会い、手紙を渡す。
(第2幕)
伯爵はバジリオの弟子ドン・アロンソに扮し、体調の悪いバジリオの代わりだと言いロジーナの音楽のレッスンをする。フィガロの協力でバルトロをかわした隙に、伯爵は、夜中に迎えに行くとロジーナに伝える。その後アロンソが偽物だと分かり怒り心頭のバルトロは「リンドーロはおまえを伯爵に売るつもりだ」とロジーナに告げる。ショックを受けたロジーナはバルトロとの結婚を承諾してしまう。嵐ののち伯爵とフィガロがロジーナを迎えに行くが、彼女はリンドーロの裏切りを非難して、その場を動こうとしない。そこで伯爵は自分の正体を明かす。驚き喜ぶロジーナ。バルトロが呼んだバジリオと公証人がちょうど来たので、フィガロの機転で伯爵とロジーナの結婚契約書を作成。伯爵の素性を知り驚いたバルトロはついに観念し、伯爵とロジーナはめでたく結ばれる。
●公演概要
2月6日(木)、8日(土)、11日(火・祝)、14日(金)、16日(日) 新国立劇場オペラパレス
新国立劇場オペラ『セビリアの理髪師』
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