BABYMETAL「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」ライブレポート(DAY-1)
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「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」DAY-1 Photo by Takimoto “JON” Yukihide
ぴあが発行するエンタテインメント・ライブ・マガジン『ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)』にて、大フィーチャーしているBABYMETAL。2020年1月25・26日にわたって千葉・幕張メッセにて開催されたBABYMETAL「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」のライブレポートをいち早くお届けしようと、この度、ぴあアプリに出張。まずは、1月25日[DAY-1]のレポートを届ける。
幕張メッセのホールふたつ分を使用した広大なフロアは、赤と電球色が交互に並ぶ照明で照らされていた。それはまるで見事な朝焼けのようであり、これからまばゆい光の中で繰り広げられる熱演を予告しているように見えた――。
BABYMETALが昨年夏から敢行してきたワールドツアーの日本公演の追加公演「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」の内容は、2019年11月16・17日のさいたまスーパーアリーナ公演終演後に流れたムービーで、BABYMETALらしい言い回しで予告されていた。「東の空の守護神」と「西の空の守護神」が「鋼鉄の交響曲を奏でる夜」に、「放たれた三本の矢」が「勇者達〈アベンジャーズ〉となって舞い踊る」と。これが意味するのは、〈METAL RESISTANCE第8章〉において、BABYMETALのふたりと、日替わりで彼女たちをサポートしているダンサー3人と、彼女たちのパフォーマンスを爆音でもり立てる2組の神バンドが一堂に会するということに他ならない。そんなライブが2日間にわたって開催されるということは、2枚組の最新作『METAL GALAXY』のDisc-1とDisc-2の収録曲を2日にわけて全曲披露するのではないかということも、コアなファンであれば容易に想像できた。つまり、大まかなセットリストと演出の一部を堂々と告知していたのである。
結果として、計5万枚のチケットは見事にソールドアウト。公演初日となるこの日も、最後方にあるシートエリアから眺めている限り、フロアはパンパンだった。まだ開演30分前にもかかわらず、だ。どれだけの人が今日という日を楽しみにしていたのか、開演前からビンビンに伝わってくる。
運命の[DAY-1]は、太陽と月が重なり合う神秘的な映像と、おなじみのナレーションで幕を開けた。〈いまだかつて見たことのない世界へたどり着く〉、そして〈一夜限りの特別な夜〉という言葉に観客が大いに沸き、Disc-1のオープニングナンバー「FUTURE METAL」が始まったのだが、耳をつんざくディストーションサウンド以上に驚かされたのが、会場の幅いっぱいに広がる超巨大LEDスクリーンだった。
巨大スクリーンの存在は、昨年10月11日、アメリカ・ロサンゼルスで行われた初の北米アリーナ公演「METAL GALAXY WORLD TOUR LIVE AT THE FORUM」でも演出の鍵を握っていたが、今回はあのときよりも大きい。幕張メッセの幅が112.5mなので、遠くからの目測にはなるが、おそらく100m近い幅のもので、高さも15mほどはあったのではないだろうか。ロサンゼルス公演で、「日本ではこんなスクリーンは使えないんだろうなあ」と嘆いていた自分が浅はかだったことを、ほんの数ヶ月で痛感させられることになったのである。
しかもこのスクリーンはただ巨大なだけではない。続く「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」(を含む一部の楽曲)では、事前に準備してあった、BABYMETALの世界観を増幅する映像素材を正面のスクリーンに映し出し、メンバーのリアルタイムなパフォーマンスを両サイドのスクリーンに映すという使い分けをしたのだ。なるほど、BABYMETALの映像素材はたしかに凝っているが、それが映し出されている間は当然メンバーのパフォーマンスがスクリーンで見られなくなるわけで、これはその問題を解決する妙手となったのである。メインとサイドのスクリーンは1:3:1といったところだろうか。大会場ではあるが、ステージまでの距離感を感じさせない見事な演出で壮大なメタルエンターテインメントは進行していくのだった。
SU-METALのボーカルは常に“今”がベスト。ライブを重ねるごとに進化していく歌声は、会場の外まで届けることを意識しているかのように真っ直ぐに突き抜けていく。MOAMETALのダンスは振りと表情がより連動し、女性らしいしなやかさも随所に感じさせる。この日は、パートごとにサポートダンサーが変わり、3人ともステージに上がるという変則的な内容となったが、それを感じさせないほど上手い連携を各ダンサーととっていた。
「Elevator Girl」「Shanti Shanti Shanti」と定番の流れのあと、女性のナレーションで懐かしの某ヒット曲をオマージュたっぷりに擦り倒す映像が流れた。このコミカルな演出は最近のBABYMETALのライブでは全く登場することがなかっただけに、長年のファンを中心に歓喜の声が上がった。そして、映像によって導かれた先に待ち受けていたのは、スクリーンに大映しになったSABATONのフロントマン、ヨアキム・ブローデンの姿だった。そう、『METAL GALAXY』でまだ未披露だったフォークメタルチューン「Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)」が始まったのである。曲の展開に合わせて無数に増殖するヨアキムの姿にフロアは大爆笑&大興奮。BABYMETALとサポートダンサーも、コサックダンスを取り入れたコミカルな振りを楽しげに披露している。3人が重なり合うように両手を広げて舞う光景は牧歌的で、愛らしさにあふれていた。
同じく、この日が初披露となった「Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage)」もすばらしかった。最新作の中では最もメタルから離れている楽曲ではあるが、全く違和感がないどころか、しっかりセットリストに馴染んでいた。この楽曲で注目したいのはダンスだ。このあとにプレイした「Night Night Burn!」もそうなのだが、動きが実にしなやか。BABYMETALのダンスというとキメの多さが特徴的だが、この2曲に関しては流れるような動きに目を奪われる。「こんなパフォーマンスもできるのか」と多くの観客が驚いたことだろう。もちろん、楽曲の世界観に合わせたものではあるが、年齢を重ねた彼女たちだからこそ体得できた表現でもあるはず。BABYMETALはいまだ進化の途中なのである。最近のBABYMETALのライブを観ていると、常に完成形を見せてくれているような感覚に陥ることが多いが、まだまだ完成はしていない。これまで何度も歌い重ねてきた「ヤバッ!」や「ギミチョコ!!」や「メギツネ」も、観るたびに違う興奮を与えてくれるのだ。
3人が黒いマントをまとい、広大な銀河を背にパフォーマンスした「THE ONE」は、会場をやさしく包み込むようなSU-METALの歌もさることながら、MOAMETALの穏やかな笑みが非常に印象に残った。エンディングでは、3人がステージの中心に向かってフォックスサインを高く掲げたところで暗転した。
少しの間を置き、2万5千人の声に応えて流れ始めたのは、戦国時代をモチーフにしたムービー。以前は、「Road of Resistance」のパフォーマンス前によく流れていたものだ。「Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)」の前に流れたコミカルなナレーションもそうなのだが、数年前までBABYMETALのライブでよく使われていた手法がこの日は随所で見られた。今回の追加公演は、『METAL GALAXY』の総決算的なライブになると予想していたが、実際はこれまでの活動をトータルで振り返るような色が濃い。しかし、ノスタルジーに浸っている暇はなかった。ステージに見慣れぬ光景が広がっていたからだ。なんと、BABYMETALのふたりとサポートダンサーの3人が、BABYMETALのロゴフラッグを手にしてステージに現れたのである。しかも、東西神バンドのメンバーも全員登場し、計13人の大編成で最後の曲「Road of Resistance」をパフォーマンスしたのだ。まさに映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のよう。この光景にフロアは熱狂。いつも以上に一体感のあるシンガロングで彼女たちの熱演に応えた。
「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」1日目、BABYMETALはこちらの予想を上回るショーで魅せてくれた。実は、巨大LEDスクリーンと、前後上下に可動するステージは、ロサンゼルス公演をベースにしたもの。それを日本でのアリーナ公演を経て徐々にブラッシュアップしていったのである。同じセットを使い回すのではなく、常に最良を目指すチームBABYMETALの探究心にも胸を打たれる公演となったのである。
「これ以上の驚きはない」そんな余韻に浸っていた自分は、翌日に「これ以上」の瞬間が訪れることをまだ知らなかった――。
阿刀大志=文 PMC編集部=編集 Photo by Taku Fujii Photo by Takimoto “JON” Yukihide
【公演概要】
公演タイトル:「METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW LEGEND - METAL GALAXY」
(メタル ギャラクシー ワールドツアー イン ジャパン エクストラ ショー レジェンド -メタル ギャラクシー)
日程:2020年1月25日(土)DAY-1 、1月26日(日)DAY-2
会場:幕張メッセ国際展示場
【セットリスト】
2020年1月25日(土)DAY-1
01. FUTURE METAL
02. DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)
03. Elevator Girl
04. Shanti Shanti Shanti
05. Oh! MAJINAI (feat. Joakim Brodén)
06. ヤバッ!
07. Brand New Day (feat. Tim Henson and Scott LePage)
08. ギミチョコ!!
09. メギツネ
10. Night Night Burn!
11. THE ONE
12. Road of Resistance
【Release Information】
『LIVE AT THE FORUM』
5.13 release
(BD)¥7000+tax 品番:TFXQ-78181、(DVD)¥6000+tax 品番:TFBQ-18224ほか
BABYMETAL『LIVE AT THE FORUM』主要販売サイト:https://tf.lnk.to/H47RY
※商品イメージ画像添付(商品のジャケット写真とは異なります。)
3rd Album「METAL GALAXY」
now on sale
(2CD)通常盤 - Japan Complete Edition - ¥3,500 +tax 品番:TFCC-86687ほか
【METAL GALAXY WORLD TOUR】
2020/2/3(月) スウェーデン, ストックホルム / Fryshuset
2020/2/4(火) ノルウェイ, オスロ / Sentrum Scene
2020/2/5(水) デンマーク, コペンハーゲン / Vega Main Hall
2020/2/8(土) ドイツ, ハンブルグ / Große Freiheit 36
2020/2/9(日) フランス, パリ / Élysée Montmartre
2020/2/11(火) オーストリア, ウィーン / Gasometer
2020/2/13(木) ドイツ, ケルン / Carlswerk Victoria
2020/2/14(金) ドイツ, ベルリン / Huxleys
2020/2/16(日) ベルギー, ブリュッセル / AB
2020/2/17(月) オランダ, ティルブルフ / 013
2020/2/19(水) イギリス, グラスゴー / Barrowland
2020/2/20(木) イギリス, カーディフ / The Great Hall
2020/2/22(土) イギリス, マンチェスター / O2 Apollo
2020/2/23(日) イギリス, ロンドン / Eventim Apollo
2020/2/26(水) フィンランド, ヘルシンキ / House of Culture
2020/2/28(金) ロシア, サンクトペテルブルグ / M1
2020/3/1(日) ロシア, モスクワ / Adrenaline Stadium
2020/3/20(金)千葉 / 幕張メッセ国際展示場 【KNOTFEST JAPAN 2020】
2020/3/22(日) バンコク / GMM LIVE HOUSE
2020/3/27(金) クアラルンプール / KL Live
2020/3/29(日) ジャカルタ / Basket Hall Senayan
2020/4/3(金) 台北 / NTU Sports Center 1F
2020/5/16(土) マニラ / MALL OF ASIA ARENA 【PULP SUMMER SLAM FESTIVAL】
2020/6/5(金)~7(日) ドイツ /【Rock am Ring】
2020/6/5(金)~7(日) ドイツ /【Rock im Park】
2020/6/8(月) ポーランド、ワルシャワ / Stodola
2020/6/10(水)~ 13日(土)オーストリア /【Nova Rock Festival】
2020/6/11(木)~ 13日(土)スイス /【Greenfield Festival】
2020/6/14(日) イギリス,ドニントン / Donington Park【Download Festival】
2020/6/17(水) オランダ, ユトレヒト / Tivoli Ronda
2020/6/19(金) ベルギー /【Graspop Metal Meeting】
2020/6/21(日) フランス /【Hellfest】
2020/6/23(火) スペイン, マドリード / La Riviera
2020/6/24(水) スペイン, バルセロナ / Razzmatazz
【関連リンク】
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