沢村一樹の内に潜む“魔物”が顔を出す 『絶対零度』井沢と桜木の繋がりが明らかに
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ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)の謎の1つ、事件の裏で法で裁くことのできない犯罪者たちへの制裁を加えていた仕置人の正体が、ミハンチームの田村薫(平田満)であることが、前週の第6話では明らかになった。ドラマも折り返し地点を過ぎ、田村亡きミハンチームが、“ミハンを必ず実現する”という彼の思いを継いで、新たな一歩を踏み出していく、第2章スタートの第7話だ。
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東堂(伊藤淳史)の判断により、テストケースの報告書から田村の痕跡を削除し、ミハンには最初からいなかったこととして、チームは再び捜査を再開する。仕置人の犯人が明らかになったが、『絶対零度』にはまだ多くの謎が残っている。それが、“反社会的サイコパス”とも言われた井沢(沢村一樹)の中に眠る深い闇。東堂の上司への報告の中で、井沢は「罪をもみ消した元公安の魔物」と呼ばれる。妻子を殺された井沢は、犯人の宇佐美(奥野瑛太)に向け発砲。ミハンシステムに井沢が危険人物としてリストアップされていたことで、銃殺は食い止めることができた。
東堂は、犯罪を強く憎む人間こそミハンの任務にふさわしいと信じ、田村とチームを立ち上げたが、仕置人という形で犯罪を犯していたことを悔いると同時に、次は井沢が同じ過ちを犯してしまうのではないかと疑いをかける。「私なら大丈夫ですよ。一線を越えたりしませんから」と、井沢はいつものひょうひょうとした笑みを浮かべるが、彼の元に届くのは宇佐美が出所するという報。井沢の内に潜む“魔物”が、彼の狂気的な表情によって浮かび上がる。
今回の第7話でテストケースにリストアップされたのは、新谷啓一(小柳友)。これまでのテストケースにおいて、危険人物から助け出そうとしている人物も犯罪者というパターンがほとんどであったが、例の如く、今回も“くず同士の殺し合い”であることに、小田切(本田翼)は葛藤する。田村が仕置人として制裁していた“くず”は、これからも生き続けていくからだ。
「ミハンとは何か」が問われていく中で、小田切と山内(横山裕)、そして南(柄本時生)もまた田村の思いを背負い、初めて現場で犯人と直面する。第7話は、本田翼と横山裕の長尺による犯人とのアクションシーンが見ものだ。これまで、何度も殺陣のシーンはあったが、2人の格闘シーンは回を増すごとに迫力あるものになっていく。特に、今作が初のアクションだという本田の男気溢れる蹴りと頭突きには驚くばかりだ。そして、井沢もまた、2人に勝るとも劣らないハードなアクションシーンを犯人と展開する。その先で見せるのが、常軌を逸した犯人への揺さぶり。「なぜだ! 何で! 何でお前みたいなくずが、生き続けるんだ!」。その表情には、心の奥底に眠っていた田村への思い、井沢の中に潜む魔物が一線を越す寸前にいるような危うさを放っていた。
物語の終盤では、井沢の妻子が殺された事件と桜木泉(上戸彩)が亡くなった事件とが繋がっていることが明かされる。そして、井沢は出所してくる宇佐美の元へ。「俺の妻と娘は組織の報復としてお前に殺された。違うだろ。誰なんだ? 誰に頼まれた?」。シーズン1、2の主人公・桜木の死という最大の謎に迫り出した『絶対零度』。第8話では、桜木の元上司でもある長嶋秀夫(北大路欣也)が登場。物語はいよいよ、最終局面に突入していく。(渡辺彰浩)