YOSHIKIとGACKT、熱狂的なファンを生む理由は? 人生の指針ともなる“一流”の生き方
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ここ最近のネットニュースには、YOSHIKIとGACKTの名前が毎日のように並んでいる。というのも、YOSHIKIがプロデュースしたSixTONESの「Imitation Rain」がチャートで快挙を成し遂げたり、GACKTが地上波のテレビ番組に多数出演し爪痕を残すなど、常に世間の注目を集める活動をし続けているからだ。もちろん、ミュージシャンとしての彼らに熱を上げるファンは世界中に存在するが、最近ではいわゆる“お茶の間”にも、彼らにポジティブな印象を持つ人が増えてきたように感じる。
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そんな中、二人を崇拝するファンが1月31日放送の『新・日本男児と中居』(日本テレビ系)に出演した。「YOSHIKIラー」「GACKTラー」と呼ばれる彼らは、食事、ファッション、仕草や歩き方までYOSHIKIとGACKTを真似する男性ファンだ。信者といっても過言ではないだろう。大きめのサングラスに上下黒で固めたファッション、煌びやかなアクセサリーと、YOSHIKIとGACKTのコスプレのような出で立ちで登場し、その私生活を番組内で公開。司会の中居正広らを驚かせた。YOSHIKIラーは、23歳という若さで収入の半分をYOSHIKIにつぎ込んでいるという筋金入り。YOSHIKIを意識して3年間毎日赤ワインを飲んだり、YOSHIKIが言う“瞬間の美学”を体現するために歩く速度にまで気を配っているという。そこまでYOSHIKIを真似る理由として「YOSHIKIさんみたいな人間性になりたい。何かを全力でやっているような」と語っていた。
GACKTラーは、本家のストイックさを完全コピー。大手企業に勤めていたものの、同じことを繰り返すだけの仕事に疑問を感じていたとき、「楽な方を選ぶな」というGACKTの言葉が刺さり、辞職。現在はGACKTと同じメニューのトレーニングをしたり、「成功するためには自分の一番好きなものを捨てる」というGACKTの真似をして白米を絶ち、サバ缶を主食にしたりとストイックな生活を送っているという。
シーンの重鎮的存在でもあるYOSHIKIとGACKT。女性ファンが多いことはいうまでもないが、なぜ男性までもがここまで彼らに引き付けられるのだろうか? まず始めに、そもそもバンドマンは同性から憧れられることが多い。バンドを始めるきっかけとして、「○○さんに憧れたから」「○○さんのサウンドに影響されて」というのは、鉄板の理由だ。ましてや、世界を股にかけるYOSHIKIやGACKTならなおさらだろう。事実、彼らに憧れてヴィジュアル系バンドを始めたというバンドマンは未だに後を絶たない。だが、今回番組で取り上げられたYOSHIKIラーとGACKTラーは一般企業に勤める社会人。音楽性というよりも、YOSHIKIとGACKTが発する言葉や行ないに憧れを抱き、その生きざまに影響を受けているように見えた。卓越した音楽性で人を惹きつけ、熱狂的なファンや新たな世代のバンドマンを生み出す。さらにそれだけに留まらず、ストイックな生きざまを見せ、他人の人生にすら変化を与える。YOSHIKIとGACKTの影響力は、その域まで達しているのだ。
他人に影響を受けて自分の生き方を変えることは、ある意味リスキーだと思う。その人の人生が、自分のお手本になってしまうからだ。しかしYOSHIKIやGACKTは、人生の指針にするに相応しい一流の生き方をしている。たとえば、YOSHIKIは今年オーストラリア森林火災の復興や熱帯雨林の保護のため、多額の寄付を行なった。GACKTも過去に東日本大震災や熊本地震の復興、首里城の再建などのために寄付金を送っている。自身の利益になる活動だけでなく、社会貢献性の高い活動にも積極的に取り組んでいる姿は、影響力のある著名人として、まさにお手本となる行動だろう。
働き方、価値観、生活スタイル。すべてが多様化し、猛スピードで進化を遂げる令和の時代。もしも、自分の生き方に迷ったときには、YOSHIKIやGACKTのようなカリスマの生きざまを真似てみるという方法も、ありなのかもしれない。(南明歩)