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「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」合評上映会開催 日本映画期待の若手監督3人が展望を語る

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「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」合評上映会

特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)による、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019」において、今年度の製作実地研修で完成した短編映画3作品の「合評上映会」が2月4日、都内にて開催された。

上映された3作品は、自主映画で注目を集めている川崎僚監督作『あなたみたいに、なりたくない。』。広告映像やPV、CGデザインなどを手がけている島田欣征監督作『Le Cerveau -セルヴォ-』。そして独学で撮った処女作『あみこ』が、第68回ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待された山中瑶子監督作『魚座どうし』の3作品。いずれも35ミリフィルムで撮影・編集された30分の短編。

1作品目の『あなたみたいに、なりたくない。』の川崎僚監督は、「35mmフィルムでの撮影は緊張しました。フィルムの残りを考えながら撮るのが大変で、芝居で気持ちがノッてくるまでの演技も撮りたいけれど、そうするとフィルムが足りなくなってしまうので、何歩目にフィルムを回せば間に合う、というのを撮影部の人たちが計測してくれたり、工夫しながら撮影しました」とフィルム撮影ならではの苦労を語った。今後はどんな作品を撮っていきたいかを問われると、「女性として生きることが苦しかったり辛かったり、性別に縛られることがあるので、そういったものから解放される、そして女性から共感されるような作品を撮りたいです。私の映画を観てお客さんの心が軽くなったり、勇気づけられるような映画を撮っていきたいです」と今後の目標を明らかにした。

続いて2作品目『Le Cerveau -セルヴォ- 』の島田欣征監督は、「SFは時間とお金がかかるので日本では撮られる本数が少ないんですが、SFが好きなので今回はSFものに挑戦しました」と今回の作品テーマを選んだ理由を明かし、「今後はコメディや青春もの、原作本のあるものなどいろいろなものを撮ってみたいです。そして今回は短編だったので、長編にも挑戦してみたい。自分の好きな映画監督が世界中にいて、そういった監督たちが作った世界を自分もつくれるように頑張ります」と次回作への意気込みを語った。

3作品目『魚座どうし』の山中瑶子監督は、本作を撮った理由を「子どもの映画をずっと撮ってみたかった。子どもって何だろうって考えたときに、子供っていうのは大人に振り回されるものだなと考えたところからこの映画を書き始めました」と話し、小学4年生を主人公にした理由を「先生とか親とか、まわりの身近な大人が単なる役割ではなく、大人もひとりの人間なんだと自分で気付き始めたのがその頃でした」と明かした。これからについては「映画っていうのはなんだろうなってことを考え続けることを辞めずに、結局、全員他人だということを自分では重視しているけれど、可能ならできるだけ他者の心に寄り添える作品を作り続けていけたらいいなと思います」と今後の抱負を述べた。

スーパーバイザーの香月純一氏は、3人の若手監督それぞれに称賛のメッセージを送り、「3本ともバラエティに富んだ作品になったと思います。今後もこの3人の監督たちに活躍していって欲しいと思います。そのためには皆さんのご支援、ご声援が必要です。どうぞよろしくお願いいたします」と締めくくった。会場からは監督たちへの期待と共に温かい拍手が沸き起こり、合評上映会は好評のうちに幕を閉じた。