アメリカに生まれ、ニュー・バウハウスことシカゴのインスティテュート・オブ・デザインで学んだ石元泰博は、2021年で生誕100周年。これを記念し、東京都写真美術館など複数の美術館で彼の回顧展が開催中。オペラシティでは、石元が得意としていた「伝統と近代」をテーマに、代表作である桂離宮のシリーズや、都市の写真などをたっぷりと紹介している。
桂離宮の静謐な写真もたまらなくよいけれど、おすすめは現代の建築写真。とくに、国立民族学博物館(みんぱく)の中央パティオ(中庭)を構成する「未来の遺跡」の写真。ネットではタクティクスオウガの世界と呼ばれている、なんとも不思議な空間を、彼はこのうえなく格好よく撮影しているのだ!