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水先案内人のおすすめ

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鈴木 芳雄

編集者/美術ジャーナリスト

小野祐次 Luminescence

クラシックなシャンデリア(ヴェルサイユ宮殿やコンデ美術館のものだったりする)を撮影したモノクロの写真。シャンデリアは自光しているのか、照らし出されているのか、多重露光なのか、わからない。 見る者に対してなにを投げかけているのか一瞬で理解はできない。テクニカルな話をすると、カメラの反対側からの光でシャンデリアを照らし、望遠系のレンズを付けた大判カメラで撮影している。 多重露光ではない。何を言いたいのか?  直進する光がシャンデリアのクリスタルガラスを照らし出し、透過し屈折する。ガラスという素材を使って光と遊んでいると考えてもいい。 作者の小野祐次は古典的な絵画を単純に絵としてとらえるのではなく、そのテクスチャーがなす光の反射を写真に収める作品(タブローシリーズ)を発表してきた。 それが反射なら、シャンデリアは透過。光と愚直に対峙する。

21/6/2(水)

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