このごろ、キャバレーはキャバクラとは異なる業態であることを説明しなくてはならない機会が増えました、時代ですね……。それはさておき、この展覧会は戦後の日本各地にキャバレーを大々的に展開した実業家、そして優れた絵画コレクターの福富太郎が所有していた作品を揃えた展覧会。
北野恒富《道行》や鏑木清方《妖魚》など、東京国立近代美術館の「あやしい絵展」にも出ていた作品や、今はポーラ美術館が所蔵する岡田三郎助《あやめの衣》など、ためいきがでる美人画が勢揃い。
興味深かったのは、向井潤吉や中村研一らが描いた戦争画も福富さんはコレクションしていたこと。収集した作品で、美意識だけでなく人柄や考えもわかってくるのがおもしろいです。