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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

東京二期会オペラ劇場『ルル』 〈新制作〉

20世紀オペラの傑作、ベルクの『ルル』 『ルル』とは、主人公の女性の名である。美貌と才気を武器に、上流社会で放縦な男性遍歴を繰り返した挙句、落ちぶれて貧民街に住み、一夜、金のために引き込んだ男「切り裂きジャック」の手により最期を遂げる━━。 なんとも物凄いストーリーだが、これがオペラになると実に魅力的な心理ドラマになるところが不思議だ。音楽はドイツ近代音楽の巨匠アルバン・ベルクの手になるもの。その緊張感に富んだ音楽も、聴いてみると意外に親しみやすい。 今回は超個性派演出家カロリーネ・グルーバーが舞台を手がけるので、かなり鮮烈な情景が展開されるのではないか。東京二期会の制作で、マキシム・パスカルが東京フィルを指揮、森谷真理と冨平安希子がルルを歌い、恐るべき存在感を持つ人物シェーン博士と切り裂きジャックの2役を宮本益光と小森輝彦が歌うなど、ダブルキャストによる上演だ。 実は日本では、2004年の新国立劇場上演以来の舞台上演になる。他の作曲家が補作した3幕版でなく、作曲者ベルクの手になる2幕版で上演されるのもいい。

21/8/20(金)

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