第93回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞し世界中の映画賞を総なめにしている本作。主演は『ファンタスティック・ビースト3』『インディ・ジョーンズ5』への出演も決まったマッツ・ミケルセン。トマス・ヴィンターベア監督とは『偽りなき者』に続き二度目のタッグ作だ。
ネットでマッツ・ミケルセンを検索すると、”北欧の至宝”と形容されることが多いことに気づく。”至宝”という形容は、”イタリアの至宝モニカ・ベルッチ”とか”フランス映画界の至宝イザベル・アジャー二”というように女優に使われるケースが多いのだが、ミケルセンはその形容がピッタリと当てはまる稀有な男優といっていい。
冴えない高校教師のマーティン(ミケルセン)と3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度0.05パーセントを保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生徒たちや夫婦関係も良好に。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……というお話。哲学者の”血中アルコール度0.05パーセント”云々という学説のエビデンスはともかく、ミケルセンの酔っぱらい演技が素晴らしい。
エンディングに流れる主題歌
〽誰が何といおうと 人生は最高 大丈夫 気にするな 好きに生きればいい
多少アルコールに依存してもいいではないか、人生を愉しみなさいと励ましてくれるデンマーク映画だ。