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パリ発、ヨーロッパで話題の作品を
佐藤 久理子
パリ在住、文化ジャーナリスト
ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kデジタルリマスター版
21/12/10(金)
新宿ピカデリー
カンヌ国際映画祭でパルムドールと最優秀女優賞(ビョーク)をW受賞したデンマークの奇才、ラース・フォン・トリアーの傑作ミュージカルが4Kリマスターで劇場再リリース。となればもう、絶対に劇場で観ないわけにはいくまい。 本作は残酷なエンディングばかりが取り沙汰されがちだが、わたしにはむしろ、歌と踊りのシーンのスペクタクルや独創性に興奮したインパクトの方が強かった。とくに現実的な場面からミュージカルに移行する際の創意。観る者はヒロイン、セルマの心に入り込み、彼女と同じ音を聞き、リズムを感じ、その想像の世界をともに飛翔させられる。 さらにビョークの、演技を超えた驚くべき佇まい。彼女のひとつひとつの表情、内からほとばしる歌声と動き、そこにある真実には、深く心を動かされずにはいられない。まさに映画史に残る奇跡としか言いようがない作品だ。
21/12/5(日)