2019年10月7日、和田誠さんが亡くなった。ボクがイラストレーターを目指したきっかけは、キネ旬の「お楽しみはこれからだ」だった。映画を観て、絵描いて暮らすなんて夢のような仕事だと思ったものだ。その和田誠展が10/9〜12/19まで開催されている。イラストレーター、デザイナー、アニメ作家、作曲家、映画監督と様々な顔がダイジェストで見られる。1977年から続いている週刊文春の第一号表紙、幼少期の落書き、学生時代の作品、会社員時代のハイライトの版下やポスター、下描き、生原稿などレアなものも展示。それでも映画の似顔絵が圧倒的に多い。特にハンフリー・ボガートの絵が年代別に違っているのが面白い。和田さんのクリエイティブの源泉は映画にあると再認識させられた。個人的には昔、取材させていただいたことがある。最初、絵の雰囲気と違って、気軽にお話できるカンジではなかったが、映画と似顔絵の話になると丁寧に語ってくれた。ボクはブロードウェイのポスターを描くハーシュフェルドと和田さんの立ち位置が似ているので、伺ったところ彼の絵にはどこかにサインが隠されているので見つけるのが楽しいよと教えてくれた。その流れで画集PEOPLEにサインをいただいた。ボクの宝物になったのは、言うまでもない。

21/12/10(金)