音の世界を見える形にした作品を作り出すことで知られる、クリスチャン・マークレーの日本初の大規模な展覧会。自分は《telephone》という、さまざまな映画のなかから、電話のシーンだけを抜き出して再構成した作品を見たときから、マークレーに心を鷲掴みにされており、この展覧会は待ちにまっていたもの。
普段は気にも止めない街角の看板に描かれた五線譜や、漫画のオノマトペなども、彼の手にかかれば見事なアートとなり、そしてその作品を見た人の脳内にはその音が鳴り響くような仕掛けになっているから、ある意味で恐ろしく、そしてとても刺激的。視覚と聴覚の関係もあらためて考えさせてくれる楽しい展覧会。