『アルプススタンドのはしの方』の城定秀夫監督、『愛がなんだ』『街の上で』などの今泉力哉監督が互いに脚本を提供し合い、R15＋指定の恋愛映画を製作するプロジェクト「L/R15」の第1弾。本作は城定監督が今泉監督のオリジナル脚本を映画化したもので、瀬戸康史が演じた古本屋の店主・多田が、女子高生の岬からプロポーズされる今泉監督の『mellow』を想起させるシーンからスタートする。 ただ、そこに結婚を目前に控えた多田の忘れられない女性・一花のエピソードを交錯させた本作は、R15＋の条件を満たす性愛描写も満載で、数多くのピンク映画を撮ってきた城定監督がそのスキルとセンスを遺憾なく発揮した紛れもない城定ワールドに。一花役のさとうほなみ、ウエディングプランナーの美樹を演じた向里祐香の身体を張った熱演も素晴らしい。 そして、心優しい多田に持ち前の温和なキャラでなりきった瀬戸康史が本音を爆発させるクライマックスは、恋愛に悩む多くの人の胸に突き刺さるものに。愛するとは？ 人を好きになることとは？ 結婚するってどういうこと？ その答えにヒントをくれる、可愛らしいラストシーンも好き。

22/2/23(水)