評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
お気に入り映画をイラストで紹介
高松 啓二
イラストレーター
オートクチュール
22/3/25(金)
新宿ピカデリー
ディオールのお針子責任者エステルは、地下鉄で泥棒をしていた移民の子ジャドの指先をみて、アトリエの見習いとして雇うが……。エステル演じるナタリー・バイの孤高の職人気質が本作の支柱となっている。一方、ジャド演じるリナ・クードリは育ちが悪く無軌道に生きる少女を好演。お互い反目しながらも師弟関係を築いていく。貧しく才能も気づいてない少女を優れた指導者が見いだし、育てていくのは昔の少女漫画のようで懐かしい! 劇中流れるレトロなポップスが、またムードを盛り上げる。このベタ感が一周回って新鮮に思えたりするから不思議。また、ディオールの仕立て服を作る裏側も描く。スタッフはスモックと呼ばれる白衣を着て作業をし、縫製の手元も丁寧に写し、デザイン画など、モノ作りの気高さを感じる。職人技伝承のため、人種や階層差別を超えてアートを支えるのは、さすがフランス!
22/3/19(土)