6年前の2016年、83歳のアチュカロさんの演奏を聴いたときは、詩的に歌うショパン、期待通りの深い味わいがあるスペインものに感銘をうけました。さらには、3曲もアンコールを弾き、ショパンの「24の前奏曲」第16番で締めるという年齢を感じさせない攻めの姿勢に圧倒され、来日したら必ずまた聴きに行こうと思ったものです。
そんなアチュカロさんが、3年ぶりに来日。ブラームスのソナタ3番に加え、リストは「忘れられたワルツ」と「愛の夢」、ラフマニノフの「鐘」をはじめとする前奏曲、そしてグラナドス、アルベニスという、90歳目前のピアニストの選曲とは思えない、盛りだくさんの濃いプログラムを披露してくれます。
アチュカロさんにしか表現しえない、特別な歌心をたっぷりと味わいたいです。
・7月3日 王子ホール
・7月9日 ミューザ川崎シンフォニーホール