なんか前にも似たようなタイトルの展覧会やってなかったっけ? と思ったら、3年前に『おかえり 美しき明治』が開かれていた。出品作品はほとんど異なるがテーマはほぼ同じで、前回に勝るとも劣らぬおもしろさ。
これは高野光正コレクションを中心に、明治時代に海外に流出した日本人および英米人画家による主に水彩画を公開するもの。幕末に来日したチャールズ・ワーグマンをはじめ、外国人の目を通した明治日本の風景や生活風俗のなんと新鮮なこと。
また、彼らの技法を学んだ笠木治郎吉らによる水彩画が、なんともエキゾチックに映る。これは日本の近代絵画史の忘れられたパーツを穴埋めするものであると同時に、明治日本の美しくもやさしい姿を再認識させてくれもする。