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鋭い視点でアートの見方を指南

村田 真

美術ジャーナリスト

鷲見和紀郎『brilliant corners』展

会場の片隅に、人の背の高さくらいに雪が降り積もったように巨大な乳白色の塊が置いてあり、なかを通り抜けられるように狭い道がつけられている。ちょうど立山の「雪の大谷」のようだ。 ほかにも、ブロンズ板を巻貝のように螺旋状に巻いた作品もあれば、棚のように壁から突き出ていたり、橋みたいに弧を描いた作品もある。 鷲見はモダンアートが行き着くところまで行き着いた1970年代初めから、「彫刻とはなにか」「絵画とどこが違うのか」を問い続けてきた彫刻家。そういうと、とっつきにくい作品と思われるかもしれないが、前述のとおり形態は多様だし、表面もツルツルだったり蝋が溶けたように滴っていたり、色彩も意外に多彩で、彫刻とは本来楽しいものだということがじわじわと伝わってくる。

22/9/3(土)

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