パーンとシェフが手を打つ、「イエス!シェフ」と一斉にスタッフ達の声が厨房に響きわたる。孤島のレストランでワケあり人達にワケありコース料理が運ばれる。料理ドラマかと思いきやクラシカルミステリーである。オープニングの船のシーンから招待客のキャラクターが紹介され、料理の中で徐々に正体が詳らかにされるのは、アガサ・クリスティ風味。シェフ演じるレイフ・ファインズは、久しぶりの恐〜い役で『羊たちの沈黙』のレクターが、ほんのり香る。本作のキーキャラクターになるのが、アーニャ・テイラー=ジョイ。やはり彼女が登場すると場面をさらってしまい、スパイスききすぎ?ミステリー的にはもう少し薄い存在の方が意外性あるのでは?と思ってしまう。でも彼女の眼差しはクセになるんだよなあ。美しい料理、ユーモア、ショックシーンをふんだんに使った極上ミステリーフルコース!おいしゅうございました。