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「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画を紹介します

LiLiCo

タレント、映画コメンテーター

時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優

森山周一郎さん、という名前をご存じない方でも、チャールズ・ブロンソンやジャン・ギャバンの日本語吹き替え、『紅の豚』のポルコ・ロッソの声を担当している声優さん、といえば分かる方が多いはず。 まだ今のように業界として声優の立ち位置がはっきりしなかった時代から、声の演技を魅せることで業界を先駆けていった森山さん。そんな森山さんに関するドキュメンタリーですが、びっくりするのは周辺インタビューで構成された作品ではないこと。なんとご本人が昔の話をとうとうと語っているんです。 これには私もびっくりで、戦中戦後の話から昭和の吹き替え作品の話はもちろん、ありとあらゆることが森山さんの口で語られるんです。その記憶力のすごさには、監督もびっくりされたそうで。現場では街の道順なども森山さんの記憶の方が正しいことがしばしばあったそうです。 この作品を撮影している最中だった2021年に森山さんは他界され、この完成版を観られなかったのが悔やまれます。ドキュメンタリーとしても非常にドラマティックで見やすい作品に仕上がっているので、人生の先輩からのメッセージとしてぜひご覧いただきたい。 それと、実はこの作品、というか森山さんには、私自身ちょっとしたご縁があります。映画の中で中尾彬さんが登場して語られる、森山さんの初監督作『幻想のParis』という映画。この映画で、私が1992年2月に“LILIKO”として歌手デビューした曲『過ぎてしまえば』が主題歌として使われているんですよ。 その関係もあって私も出演しているんですが、そこでも驚かされたのは森山さんの記憶力。映画コメンテーターとしての私ではなく、歌手LILIKOとして覚えていてくださった。おまけに本編中の『幻想のParis』のくだりでは、『過ぎてしまえば』のインスト部分が使われてます。拝見したときに「あ、この曲!……いやいや、歌はないんかーい!」と、ひとりツッコミでしたね(笑)。 どうやら権利の問題で歌唱パートを使わなかった、ということだったのですが、これから栃木や京都などの上映までに、私の歌パートも使えるよう、本人が動いてますので、実現するよう祈ってください!

22/11/12(土)

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