『パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂』はもちろん素晴らしいのだが、同時に開催されている『Art in Box −マルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後』がとても良かったので書いておく。
マルセル・デュシャンの《トランクの箱》(1952年)《グリーン・ボックス》《ホワイト・ボックス》から始まり、それらの影響を受けてつくられた箱の形態の作品が展示されている。デュシャンが《大ガラス》や《泉》のミニチュアレプリカや写真、複製を革のトランクに収めたのが《トランクの箱》。作品をめぐる時間と空間を考えさせられ、さらにその各作品の要素を凝縮する試みを提示してくれている。
デュシャンの制作に関わったジョゼフ・コーネル、親交のあった瀧口修造の仕事なども一気に見ることができた。ときどき繰り返し展示してほしい。