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水先案内人のおすすめ

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パリ発、ヨーロッパで話題の作品を

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

ボーンズ アンド オール

アカデミー賞にはノミネートすらされなかったけれど(過激すぎるから?)、個人的に本作は、2022年を代表する作品として絶対に見逃せない一本だ。ルカ・グァダニーノ監督の攻め方が半端ではない。もちろん、『君の名前で僕を呼んで』以来の、ルカとティモシー・シャラメのコンビという点でも外せないだろう。 アメリカのカントリーサイドを舞台にした、人を喰べずには生きていけない少女(テイラー・ラッセル)と青年の逃避行は、『地獄の逃避行』プラス『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』といったところ。 ホラー度をマックスに押し上げるマーク・ライランスの怪演ぶりや、かなりえぐい映像を含みながらも、ロマンティシズムとせつなさに溢れ、ラストのシャラメの言葉は、究極の純愛名台詞と言って過言ではない。アコースティック・ギターによるトレント・レズナーとアッティカス・ロスの音楽も、孤独感を倍増させる。

23/2/15(水)

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