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水先案内人のおすすめ

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お気に入り映画をイラストで紹介

高松 啓二

イラストレーター

芳幾・芳年ー国芳門下の2大ライバル

浮世絵は定型的な画風なので見分けるのは、難しい。それでも芳年(よしとし)は、人物の顔がリアルでタッチや構成も西洋画の影響があり個性的だ。後の漫画や劇画にも通じるものがある。三菱一号館美術館で「芳幾・芳年-国芳門下の2大ライバル」が開催されている。芳年は何度が展覧会をやっていたので知っていたが、芳幾は知らなかった。二人とも芳国の弟子からデビューし、その後方向が変化していくのが面白い。彼らが活躍したのは、江戸末期から明治時代にかけてである。同時期にサム・ペキンパーの映画みたいな血まみれ武者絵で二人はライバル同士であった。芳年は圧倒的に技術力が高く洗練された感覚があり、国芳の正統な継承者だ。また絵の質向上の意識も高く、タッチも変遷している。一方、芳幾はエンタメ志向が高く、絵に茶目っ気がある。今でいう写真誌「フライデー」のようなゴシップ事件記事の扇情的な錦絵やシルエットで描く役者の似顔絵などイラストよりである。この二人の共通は、伝統的な浮世絵師よりも俗っぽく商業的である。ボクにとっては、そういうところが正統な浮世絵よりも遥かに魅力を感じる。ちなみに芳年の「英名二十八人衆句姐妃の於百」の幽霊は、水木しげるの「鬼太郎誕生」に登場する女の幽霊ソックリ!

23/3/11(土)

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