自然という書物　15～19世紀のナチュラルヒストリー＆アート

印刷技術の普及したルネサンス以降の博物図譜を中心とする展示。ナチュラルヒストリーは「博物学」「自然史」とも訳されるように、地球から鉱物、植物、動物、人間、怪物までおよそ自然界のあらゆるものを収集・分類し、体系化した学問のこと。その成果を美しい挿絵とともに著したのが博物図譜だ。 出品は16世紀のゲスナーによる『動物誌』から、顕微鏡で覗いたミクロの世界を描いたフックの『ミクログラフィア』、ソーントンによる美しい植物誌『フローラの神殿』、日本で調査したシーボルトの『日本動物誌』『日本植物誌』、幻想的な海洋生物を描いたヘッケルの『自然の芸術形態』まで。 博物図譜ではないが、バーン・ジョーンズの『ジェフリー・チョーサー著作集』など、植物を装飾模様にあしらった豪華美本もある。博物学に興味を持つ人、現代科学に不満を抱えている人にオススメの展覧会。