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658km、陽子の旅

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熊切和嘉監督の『空の穴』でガソリンスタンドに置き去りにされてドライブインにやってきた菊地凛子が、今回はサービスエリアで置き去りにされる。この設定だけでもこのふたつの物語が地続きであるようにも感じられるし、何より熊切監督が撮る彼女は危なっかしくも一瞬たりとも目が離せなくなる愛らしさに満ちています。「青森まで行きたいんですけど」とトイレで練習するシーンや顔はめパネルで父の幻と会話するシーンには、ちょっと哀しく不思議なおかしみも。ジム・オルークの音楽が、彼女の旅に寄り添うように響いています。 人生を諦めてしまった在宅フリーターの生活に今の日本の風景を重ねつつ、軸にあるのは娘から父への思いや過去との対峙。ヒッチハイクで出会った人たちに一期一会だからこそ胸の内を明かすことで、少しずつ救われていく陽子の姿にぎゅっと胸が締め付けられました。また数年後に熊切監督が菊地凛子を主人公にした映画を撮ってほしい!