1992年に世界的指揮者の小澤征爾が恩師である齋藤秀雄の名を冠して創立し、毎夏、長野県松本市で開催されてきた音楽祭『サイトウ・キネン・フェスティバル松本』。2015年からは『セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)』としてますます充実した演奏が繰り広げられている、日本を代表するクラシック音楽祭だ。
今年のOMFは映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムズが来日し指揮を執ることで話題になった(チケットは現在完売)が、そのほかの演目も充実している。
俊英ディエゴ・マテウスが指揮するプッチーニ:「ラ・ボエーム」(抜粋)や、ステファン・ドゥネーヴが指揮するサイトウ・キネン・オーケストラの演奏会はまだチケットが入手出来る公演もある。とりわけ、ステファン・ドゥネーヴが指揮する演奏会は、バーンスタイン:「ウェスト・サイド・ストーリー」より シンフォニック・ダンスと、ジョン・ウィリアムズ:チューバ協奏曲というアメリカの音楽から、彼が最も得意とするプーランク:スターバト・マーテル、そしてラヴェル:ダフニスとクロエ 第二組曲と、珠玉のプログラムを堪能できる。
演奏会前に松本城を観るもよし、絶品の蕎麦屋を巡るもよし、趣深い喫茶店に入るもよし…蒸し暑い夏の都心を避けて、過ごしやすい松本で深呼吸しながら聴く音楽は格別な時間となるはずだ。