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日本美術、西洋美術をバランス重視で

木谷 節子

アートライター

あの世の探検 ―地獄の十王勢ぞろい―

もう夏も終わろうとしているが、残暑が残るこの季節こそ「あの世」について思いを巡らせる良い時期なのかもしれない。静嘉堂@丸の内で開催中の『あの世の冒険』は、まさに、誰でもいつか行く、地獄や極楽の風景を、「さすが静嘉堂文庫!」と言いたくなるような稀少な作品で紹介している展覧会。 個人的には、鎌倉、南北朝時代の瀟洒な仏画や、法華経の世界を細々と図解した南宋時代の《妙法蓮華経変相図》などに心惹かれたが、本展の目玉はなんと言っても《十王図・二使者図》(中国・元~明時代)と《地蔵菩薩十王図》(高麗時代)全十三幅の一挙公開。 「十王」とは、人が亡くなって節目節目に、その罪業を冥界で裁く十の王のことで、その中のひとりが、有名な閻魔大王だ。担当学芸員の吉田恵理氏によると、これほど登場人物が多くエネルギッシュな十王図は、日本・東洋どこにも見つけることができないのだそう。 確かに、色鮮やかな十王図がズラリと並ぶ様は圧巻。地獄図を語る時によく出てくる「十王」について、正しい知識を得ることができたのも収穫でした。

23/8/27(日)

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