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水先案内人のおすすめ

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映画から自分の心を探る学びを

伊藤 さとり

映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)

イコライザー THE FINAL

デンゼル・ワシントンの演技力をわかりやすく堪能できてしまう『イコライザー』シリーズ。それは一見サイコパス的なキャラクターでありながら、他者の言葉に出来ない気持ちに敏感であり、「遠山の金さん」ばりに正義感の強い人情家であるマッコールという複雑な人物を表情筋、仕草、声の出し方で魅力的に見せてくれるからだ。しかもシリーズ最終章といえども筋書きは「裏の仕事請負人は元CIAトップエージェントの活躍」なので、初見でも楽しめるはず。 特筆すべきは、デンゼル・ワシントンにアカデミー賞主演男優賞をもたらした『トレーニング デイ』(2001)からの阿吽の呼吸とも言うべきアントワン・フークア監督の視点によるカメラアングルとデンゼルの相性だ。冒頭から10分でマッコールという男の最強ぶりがこれでもかというほど分かり、切り取られるショットもシチリアという絵になる土地柄、息を呑むほど美しくアート的。 何よりマッコールのセリフは誰にでも響く言葉ばかりで、まさかの人生の教訓になる。今回は『羊たちの沈黙』(1991)のような不思議な師弟関係をデンゼルとダコタ・ファニングが展開していく点でも物語にメリハリが更に生まれ、終始、心が躍り続けた。

23/10/5(木)

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