ほぼ1年ぶりの二人会。東京の数ある定期的な落語会のなかでも、出色の二人会である。いわゆる「脱力系」と呼ばれる軽妙洒脱な芸風の瀧川鯉昇と、古典も新作も、また古典の改作物も、つまりオールマイティに器用にこなしてしまう柳家喬太郎の組み合わせは、なんとも魅力的である。
まず、まくらからして対照的、鯉昇は古典的な技法でもって、昨今の話題にひねりを入れて、観客の笑いを誘う。喬太郎は、まくらをいつでもアップデートさせ、昨日のテレビ、新聞の話題をすぐさま取り上げ、落語家ならではの諧謔で観客を笑わせる。
本題に入れば、鯉昇ののらりくらりのテンポがいつしか絶妙の「間」を生み出し、それにつられて、観客は思わず笑ってしまう。喬太郎はまくらを引き金にしながら、観客を右に左に揺らして、観客の笑いたいツボを押さえて、噺のオチまで隙なく進む。この絶妙の好対照!
間違いなく「おススメ」である。