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水先案内人のおすすめ

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現代の名人芸を追い続けて

山本 益博

料理評論家、落語評論家、プロデューサー

特撰落語会『白酒・兼好二人会』

先日、水天宮の日本橋劇場で開かれた「白酒・兼好二人会」を聴きに出かけた。二人が二席ずつの伝統的な二人会で、仲入り後、兼好が『厩火事』をかけた。これが素晴らしかった。髪結いのお崎さんが、仕事はできるが、おしゃべり好きで、機転は利くが、時として早とちりして人を困らせる。その姿、口調がまさしく令和の「お崎さん」で絶品だった。会場を笑いの渦に巻き込んで、高座を下りた。 「さて、このあと、白酒はなんの噺をするのだろう」と待っていたら、十八番の『松曳き』をしゃべりだした。張りのある美声、殿と三太夫のすれ違いの会話で、会場を沸かせ、観客は大満足で家路についた。 ふたりの駆け引きがうまく作用して、高座で鎬を削る二人会だった。 また、ふたたび高座で鍔迫り合いの真剣勝負を期待したいのが、王子・北とぴあつつじホールでの「白酒・兼好二人会」である。

23/12/31(日)

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