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「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画を紹介します
LiLiCo
タレント、映画コメンテーター
弟は僕のヒーロー
24/1/12(金)
シネスイッチ銀座
イタリアの田舎町に暮らす5歳の少年ジャックは、弟のジョーが生まれたこと、そして自分がお兄さんになることに大興奮。ジョーが特別な子だ、ということを両親から聞かされていたジャックは、きっと弟はスーパーヒーローなんだ、と思い込みます。やがて、その特別、という意味はダウン症だったことを理解していくジャック。彼は思春期の訪れとともに、弟の存在を周囲から隠すようになってしまいます。ところが、その嘘は、彼だけでなく町を巻き込む大騒動に……。 J-WAVEの番組『ALL GOOD FRIDAY』でも原作者のジャコモ・マッツァリオールさんをお招きしてお話をうかがいましたが、本当に素晴らしい作品。このテーマとタイトルだから、てっきりお涙頂戴の泣ける映画、かと思うでしょ? もちろん温かな涙はあるんですが、むしろほのぼのしたハートフル感動作なんです。主軸となるのは、ダウン症の弟ジョーの障がいではなく、ジャックの精神的成長。それを描くことで、兄弟ドラマになっています。 日本ではダウン症を障がい、と位置づける人が多いですが、私は違うと思っています。ダウン症は個性のひとつ。たしかにできることとできないことがあるシンドロームではありますが、ジョーのように物覚えが早いとか、さまざまな特徴があるんです。それもその人それぞれに。 この映画や『チョコレートドーナツ』のように、ダウン症の子どもが登場する作品をたくさんご覧になって、ご自身の偏見がないかどうか、気にかけていただけるとうれしいですね。
24/1/23(火)